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 前名人の高尾紳路が初戦を迎えた。とにかくパワフルだ。正座すると太ももがグンと盛り上がる。もちろん、太ったわけではない。続けているジョギングの成果と想像する。ただ今41歳。13期連続13回目となるリーグ戦は、どんなストーリーになるのだろう。

 黄は5期連続8回目。彼が初めて名人戦リーグに入ったのは18歳の時。当時の最年少記録だった。あれから12年。そろそろ大きな仕事を成し遂げてもいい頃合いだ。黒系のスーツに身を包んだ彼はなかなかの迫力。貫禄がついたなあと、しみじみ思った。

 立ち上がり早々、カタツキが三カ所で現れる。AIの影響かと思ったが、この碁に関しては当てはまらない。どれも昔からある発想だ。黒1、3、5の変則中国流から15と大きく構えた構想には、黒19がなるほどこの一手のカタツキに映る。白に迫りながら右下を拡大。白20に黒21と押さえ込めば、なかなかの好形を得られる。

 「続いて白23なら一般的です。黄さんは利かされを、それこそ徹底的に嫌います。そこで手抜きを決断しました。善悪よりも気合を優先するイメージがあります」と解説の瀬戸大樹八段。

 根拠を奪う黒23に白24のカタツキから脱出を図るのもこれしかない。黒も25とカタを突いて中央をめざす。主導権を握るのはどちらか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:29分 白:1時間0分 (持時間各5時間)

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