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 1月18日、東京の日本棋院本院、幽玄の間での対局。年末から記者室や特別対局室のある5階の暖房設備が不調に陥った。この朝の冷え込みも厳しい。どうさばくか心配していた。棋院側は電気マットを対局者や記録係、観戦記者にも用意。これが意外に重宝した。エアコンの生暖かい空気に長時間さらされると、どうしてもボーッとしてくる。両対局者の熱気も加わったせいか、寒さをあまり感じず、快適に過ごせた。

 黄と余は12月の初戦を落とした。連敗は避けたいと誰もが思う。硬くなってもおかしくない状況の中、余は黒3、5の二間高ジマリを選択する。人工知能、AIが多用して人類に広まった布陣だ。解説の平田智也七段はこうみる。

 「余さんはしのぎつつの競り合いが得意。戦いに重きを置く二間高ジマリはちょっとイメージにあいません」

 要は気分転換ということだろうか。

 黄はいつものように立ち上がりからひと工夫加える。白8のカカリ一本から14までは軽快というほかない。黒石を右辺に偏らせる戦略か。

 黒15は「彼らしい」と解説者。これで黒16と割り、白Aに黒Bなら一般的だ。黒16に白15からツメれば、もちろん黒Cと構える。

 実戦は白16、18がピッタリ。黒に厳しく迫りながら左上の白陣に立体感をもたらした。

(松浦孝仁)

 消費 黒:24分 白:17分 (持時間各5時間)

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