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 東京暮らしにはこたえる朝だった。1月25日、都心の最低気温は48年ぶりの零下4度を記録。靖国通りから棋院へ向かう帯坂には、3日前に積もった雪が溶けずに残る。昨年末から続いていた棋院5階の暖房設備の不調も寒さに拍車をかけた。

 張の先番。対局開始早々、あれっと思う。目外しを好む張が小目を二つ。調べると、昨年6月中旬以降、張の黒番は15局すべて3手目は目外しだった。好敵手との一戦に気分を変えたようだ。

 変則的な黒9のコスミが目を引く。コスまず単に黒11の二間が流行で、張も好んでいたはずだ。「白10とブツカらせたかった」と張。黒9によって白の応手を限定した。

 実戦の黒11までと、白8、黒11、白10、黒Aとなる定型との比較は気になるところ。優劣は一長一短で、黒9のコスミは隅への影響力が弱い一方、辺の戦いには強い。

 白12とハサんだのが力戦派の山下らしい。さらに白18とカケて競り合う。局後、「白18でBと生きるのは?」という冷静な提案が張から出されたが、山下が白Bを選ぶことはないように思えた。

 張は黒21と白の薄みを狙う。解説の加藤充志九段は「白24はC、黒24、白D、黒E、白F、黒G、白25の整形が相場。白がつらいということもありません」という。張は急所の黒25から27と鋭くハネ込んだ。

(琴棋庵)

 消費 黒:35分 白:54分 (持時間各5時間)

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