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 碁界には説明しにくい不思議な記録がいくつかある。たとえば高尾紳路と余正麒の対戦成績だ。4年前の初手合こそ高尾が勝ったものの、その後なんと9連敗。勝率1割をどう考えたらいいのだろう。単にめぐり合わせが悪いのか、あるいは余に対し苦手意識があるのか。第3ラウンド初戦でそれを解明できればと思う。なお、両者は名人戦では予選も含めて初対局である。

 10日ほど前に降った雪があちこちに残る東京の日本棋院での一戦。高尾の黒番。黒5のカカリに白6とカカり返し、黒7の両ガカリを迎え撃つのは流行型だ。黒11のツケに白12から14とツグのも、すっかりおなじみになった。白12で13にハネ込み、黒23、白Aは時代遅れの置き碁定石といえよう。解説は久しぶりの武宮正樹九段。

 「黒15までが最新定石ですね。このあとの白16から18は納得できるけれど、黒19とコスんだのが珍しい。私なら21にトビます」

 その場合は白Bにアテツケるか、白19のコスミか。別の碁になるはずだ。

 白20、左下は生きさえあればいいという態度。黒21がくれば、無条件で生きるには白22、24が絶対。「白30まで、つらい生きなので、右下と左上で白が先行しても、ほとんど互角でしょう」と解説者。

 20に12分、22に16分をかけ、余は慎重だ。白星なしが影響しているのか。

(春秋子)

 消費 黒:23分 白:43分 (持時間各5時間)

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