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 「アルファ碁」などの囲碁AI(人工知能)が新しい発想の手を見せ、棋士の研究の中心になっている。囲碁に関する新刊は、タイトルにAIをうたうものが次々に出版され、好調だという。

 新しい考え方をどうとらえるか、棋士の個性が出る。

 羽根は変わらぬスタイルを貫く。黒1、3の向かい小目から5と小ゲイマにシマった。「なつかしい雰囲気です。最近は5でシマらず他へ行くのをよく見ます。シマるとしても、二間が多い」と解説の蘇耀国九段。黒7の二間バサミも、羽根はよく試みるが、AIはほとんどハサまないという。

 河野はAIの手を採り入れる。白6のカカリから8とカケたあと、12とオサえ込むのはAIが打ち出した手だ。12は黒18にハネられると悪形になるため、人間は思考からはずしていた。しかし黒18とハネられても、なかなか白が悪くならないことから研究が進んだという。

 黒は13とトンだ。難しい変化になる実戦例もあるが、白14のツケから28まで簡明に分かれた。「白持ちの意見が多かったですね」と蘇解説者。黒は上辺と左辺、両方を狙ってポイントを挙げなければならない状況なのに、上辺の黒もそれほど強い姿ではない。

 羽根が長考に沈んだ。次の一手に、昼休みを挟んで49分を投じた。

(内藤由起子)

 消費 黒:56分 白:26分 (持時間各5時間)

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