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 黄翊祖30歳と村川大介27歳の共通キーワードは「井山世代」。井山裕太七冠が強く意識する同世代といえば、この両者である。

 関西で育った井山と村川が少年時代から互いを高め合ってきたのはよく知られる。進行中の十段戦五番勝負は井山―村川の4度目のタイトル戦になる。

 井山と黄は2002年の同期入段。05年、2歳年上の黄が18歳6カ月の最年少記録で名人戦リーグ入りを決めれば、2年後に井山が記録を1カ月更新した。不調期を乗り越えた黄はいまやリーグの常連。そろそろ挑戦手合の舞台に登場してもいいころだ。

 2月22日、大阪・関西棋院。ここでは開始早々に写真撮影があるらしく、村川が黒7とツケたとき、担当者がカメラを抱えて入室した。ツケ引き定石は手が進みやすいはず。ひとごとながら、いい写真が撮れるだろうと期待した。

 だがレンズを向ける前に白10のツケが放たれ、村川は考え込む。数分で退室した担当者は着手の瞬間をとらえられなかったようだ。

 白10は様子見。囲碁AI(人工知能)が用いたことで流行している手法だ。そして白18の切りが後続の様子見。黄は黒19のマゲを打たせたことに満足して白22へ。黒19でAなら白B、黒C、白Dという呼吸である。

 黒29のツケ。シチョウをにらんだ格好いい手が出た。

(琴棋庵)

 消費 黒:17分 白:24分 (持時間各5時間)

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