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 碁界に吹き荒れるAI旋風。その勢いはいまだ衰えない。手合日はあちこちの対局でいわゆるAI流の戦術が試されている。検討にも導入され、一手ごとにパーセントで表示される勝率を参考にするとか。この碁も後日、AIによる採点にかけられたそうだ。

 本局解説の大矢浩一九段が両対局者に話を聞くと、それぞれから「AIはこう言っていた」という答えが返ってきたとのこと。AIに服従するようで記者には悔しい気持ちがあったが、次のことを伝え聞いて心が晴れた。全部が全部、AIの判定をうのみにしているわけではない。AIの提示する図にどうしても納得できない場面が、河野には1カ所あったという。

 黒5では右上をAやBとシマるのがAI流だ。河野の序盤は独創的な着手が多いといわれている。

 白12に注目しよう。割り打つなら着点はここに限定される。一路上の白Cでは黒Dのツメが絶好だ。白が二間にヒラけないだけでなく、右下の黒陣がグッと引き締まる。

 実戦のポジションなら黒14とはツメにくい。狭いだけでなく、白にEの二間ビラキを与えてしまう。したがって黒は13の一手。ここで高尾は白14から16の軽手を用意していた。強引な黒17には白18の形がある。

 河野は黒19へ。これもよくある形だが……。

(松浦孝仁)

 消費 黒:20分 白:21分 (持時間各5時間)

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