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 好調だから勝つのか、勝つから好調なのかといった議論はさておき、最近の張栩は好調との声が多い。名人戦リーグに限ると3戦無敗でトップを走り、内容も充実している。

 しかしこの程度で好調だなんて、張に失礼ではないか。井山裕太の出現前、タイトルをかき集めたころに比べるとまだまだだ。いまは復調途上と見るのが妥当だろう。

 東京・市ケ谷の外堀沿いをいろどる桜がほとんど散り、葉桜になった今月5日。折り返し点の第5ラウンドに入ったリーグは、挑戦者争いを左右しそうな大一番が行われた。1敗の河野臨が張に土をつければ、ぐんと浮上して、トップ戦線がにぎやかになる。

 張の黒番。四隅すべて小目に小ゲイマガカリとは古風な、と思ったら黒9、11は最新のAI(人工知能)流。続いて白Aのヒラキなら、黒13とカケる予定だろう。解説は林海峰名誉天元。

 「利かされるのを嫌って、白12とコスミツケたのは河野さんの工夫でしょう。右上と同じく常識的に黒が15とノビれば、白BかC。この場面で黒13は初めて見ました」

 張は局後に「ちょっと研究したんだ」と語った。AI流や他人の打った手を参考にするのは誰でもできる。独自の研究にもとづくから黒13に価値があるのだ。白14、16と出切って、新型への道をまっしぐら。

(春秋子)

 消費 黒:27分 白:41分 (持時間各5時間)

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