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 三連星、中国流、ミニ中国流……。皆さんには、好んで打つ黒番の布石がありますか?

 一流棋士が同じ布石で勝ち続けると流行になる。小林光一名誉名人が有名で、2種類の「小林流」と呼ばれる布石がある。人名のつく布石のなかでは、江戸時代の本因坊秀策が打った「秀策流」と並ぶ知名度だと思うのだが、いかがだろうか。

 武宮正樹九段の「宇宙流」は本人の代名詞のようなもの。ただし決まった布石ではなく碁盤中央に夢を抱く構想のことなので、番外とさせていただく。

 師匠の背中を見て育った影響か、小林門下の河野臨は常々、自分なりの布石を編み出したいと考えている。最近のお気に入りが黒1から5の布陣だ。

 「誰もマネしてくれませんし、AIからも高評価はいただいていません」

 そう笑いながらも試し続ける。名人戦リーグでは第15局の高尾紳路戦でも打っていた。

 白6のカカリには黙って黒7の小ゲイマに受ける。解説は内田修平七段。「黒13あたりまでは、河野さんの想定してきた図のひとつでしょう」

 余正麒は8分使って右辺白14とヒラく。黒15の両ガカリから最初の折衝となった。

 黒21のハネに違和感を覚えた読者は、なかなかの腕前といえる。常識的には黒Aとハウところだ。河野はなにを嫌ったのか。

(琴棋庵)

 消費 黒:25分 白:30分 (持時間各5時間)

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