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 余が88手目に全神経を注ぎ込んでいた午後5時半、休憩を知らせるブザーが鳴った。

 本局は首位攻防の第21局、張栩―芝野虎丸戦と同じく5月3日に東京・日本棋院で打たれた。張が早々と勝ったことを余は知ったようだが、次戦の相手が張だなどと考える余裕はなかっただろう。

 白88は1時間17分の大長考。45分間の休憩中も頭が休まることはなかったに違いない。

 白88は自身のダメ数に関連した繊細な手。単に90は黒88でまずいと判断した。黒89を待って白90と切り、右辺の黒を狙う。

 黒91には29分が費やされた。この手で93のハネなら白がコウを抜いて長期戦。河野はきわめて難解な攻め合いを受けて立ったのだ。

 黒95から脱出しても白102と切られ、右辺の黒は孤立。白A、黒Bが決まると黒の外ダメは6手だ。中央の白は6手以上になるのか?

 「黒109で参考図の1なら白は5手。黒の勝ちでした」と内田解説者。白aから破壊に行っても黒はhまで耐えている。

(琴棋庵)

 消費 黒:3時間51分 白:4時間16分 (持時間各5時間)

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