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 中央白のダメが5手以下なら河野が、6手になれば余が勝つ。壮絶な読み比べである。

 深くて多岐にわたる両者の読み。結論をいえば、互いにすべてを見通していたわけではなかったが、自分の読みを信じて相手をねじ伏せにいった。観戦する棋士や記者を熱くさせる激闘だった。

 黒9で24の勝着を逃した河野は「当初の予定と違う。まるで読めていないで打っている」と振り返る。それでも両者の読みに驚嘆せざるを得ない。

 たとえば白10の切りには黒11が絶対。参考図の黒1とアテてしまうと白2以下に続いて8から12で黒の包囲網が崩壊する。黒1が12にあればきわどく支えているのだ。黒5で7の引きは白a、黒11、白5、黒bのときすでに6手ある。白c、黒d、白eで白の攻め合い勝ちだ。

 白24以下も難解をきわめた。白34で41とアテる筋もあるが、黒34と切れば黒がやれるという。

 白46の状態がわかりやすい。白は5手だがコウ付き。白から詰めれば黒の取り番の本コウである。

(琴棋庵)

 消費 黒:4時間19分 白:4時間46分 (持時間各5時間)

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