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 またAIに倣った布石か……。そんなファンの声が聞こえてきそうな立ち上がりだ。正直、記者も食傷気味。そこで解説を「AIの碁は見ません」と公言している横田茂昭九段にお願いした。ワケを聞くと「何を考えているか分からないから」。われわれアマチュアと思いを同じくする解説者だ。

 本局には出てこなかったが、黒5でいきなり黒Aと三々に入るのがインパクト大のAI流。実はこの手法、AI登場以前から関西棋院の若手棋士が用いていた。目的や狙いもAIとほとんど同じだった。「時代がようやくオレに追い付いてきた」と言ったとか。

 右下黒3から7の二間高ジマリも陳嘉鋭九段が長年にわたって愛用し、今も毎局のように打っているそうだ。

 そして左下の黒9、11のツケ二段だ。

 横田「この形を見ると秀行先生(藤沢名誉棋聖)を思い出します。大好きだったらしく、研究会でいつも勧めていました。先生の影響で流行した時期もあったと記憶しています」

 聞くところによれば、AI発の新しい発想自体はほとんどないとか。人類はもっと自信を持っていい。

 両者、苦しい星勘定で迎えた第6戦。右辺黒23のツメが仕掛けの一手という。白24に黒25で厳しく攻めるつもりだ。高尾は白26へ。右辺をそのままにしたのは気合の表れか。

(松浦孝仁)

 消費 黒:23分 白:25分 (持時間各5時間)

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