[PR]

 三々は坂田栄寿二十三世本因坊、趙治勲名誉名人といった大棋士が用いた、いわば下段の構え。隅を一手で確保でき、実利や根拠を得やすいのが特徴。では、弱点はなにか。

 大矢「位が低いので、模様を構築するには不向きです。意識しておきたいのはもう一つ。外側に弱いということ。意外に知られていないと思います」

 黒47は三々の弱点を突いたといえる。白48、50は仕方なく、黒57に切って簡単に生きだ。ところが、この構想自体に問題があり、形勢は白に傾くことに。河野は「考えすぎた」と振り返った。

 上辺の白陣に注目しよう。完全な地模様と化した。序盤、控えめに構えた△が絶好のポジションにある。

 黒のマイナスはまだある。左下の一団が薄いのだ。黒は65から補強。その過程での黒69も正確さを欠いた。

 黒69では参考図の1、3と反発し、白に迫りたかった。白4から8は無謀。黒9の生きがある。上方の黒もaと打てばほぼ二眼。白だけが浮き上がる。

 河野はつらい。白70から76で隅の白は治まったのに、左下の黒はまだ完全とは言えない。

(松浦孝仁)

 消費 黒:2時間31分 白:2時間23分 (持時間各5時間)

[ 次の譜へ ]