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 「空間が大きかった」。局後の河野の言葉で印象に残ったのがこれだ。ついさっきまでまぐさ場のようだった上辺に、白18まで考え得る最大規模の白地がまとまった。

 ただ、まだ勝負は分からなかった。上辺黒27と切って始まったコウ争い。コウ自体は単なる手続きに過ぎず、部分的に白32まではこうなるところだ。その途中、コウダテとして打たれた下辺黒29のアテがなんと敗因に。白30と換わったのが大変な味消しだった。

 大矢「黒29では参考図の1をコウダテにすべきでした。これならのちに、黒3から15のオサエが大きな一手になります。地だけではなく、白が手を抜けば黒a以下eが好手順。白fに黒cと抜き、白の生死はコウに委ねられることになります」

 実戦は図の形に黒eと白cを決めた理屈。白はこのままで生きている。河野は中央が薄くなると判断したか。しかし黒43まで白の進出を止めても白44、46がピッタリ。黒は地合いでおいていかれた。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間48分 白:4時間57分 (持時間各5時間)

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