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 張は序盤から動くタイプだ。大事な一戦とわかっていても、いや、大一番だからこそ、積極的に仕掛ける。果たして吉と出るか凶と出るか。

 白40はさばきの調子を与えない打ち方。ならば黒は41から押して下辺を補強することになる。黒45、白46によって互いの模様を消し合う展開になった。

 白48と急所に迫ったのがやり過ぎだった。対局当日の帰宅途中、林解説者は張と検討を重ね、参考図を導き出した。「白1のコスミツケから3へ。白3はあまり見ない形ですが有力でした。白9まで、地を増やしながら黒に寄りつけば、白が打てました」

 白の苦戦が明らかになる。余は黒49と相手に響く手を選び、51、53と緩まない。白54の急所に来られても、手を渡すような黒55がうまい。お好きにどうぞ、といわんばかりの自信の一手に見えた。

 対して白Aとコスむのは黒の注文。黒B、白Cから黒Dが名調子で、白Eに黒Fと切って下辺が安定すれば、黒に不満はない。

 早くも張からぼやきが聞こえる。

(琴棋庵)

 消費 黒:50分 白:33分 (持時間各5時間)

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