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 黒11は両にらみの一手。白12、14と備えるよりなく、余は黒17の逃げ出しを決行した。張は二度三度うなずいて長考に沈んだ。

 同じころ、棋士控室で林解説者ら検討陣が黒17への対抗手段を考えていた。うまくシボれば白も戦える。あるいは左上の被害に目をつぶり、白40の切りと絡めて下辺一帯の黒の大石に襲いかかれないか。しかしすべての案が却下された。一例を参考図に示す。

 白1、3からシボリが決まればいいが、黒10が利くのが痛い。分断された白はどちらも生きただけ。白地がごっそり削られ大損である(23ツグ)。

 57分の大長考で張が選んだのは白18、20。なんたる無策。△四子は最悪の形で取られた。張は「うまい捨て方があると思い込んでいた。ひどい。なにもなかった」と嘆いた。

 優勢を確信した余は黒39に10分を費やす。これは白Aとくすぐられたときに黒Bの切りで応える決意を意味している。余の選択は間違っていなかったが、黒39ではCがわかりやすかった。

 張は白40と切って紛れを求める。

(琴棋庵)

 消費 黒:2時間46分 白:3時間14分 (持時間各5時間)

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