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 7月5日、名古屋は雨。多くの死者や安否不明者を出し、平成最悪の水害といわれる西日本豪雨は、東海地方にも及んだ。被災された方々には心からお見舞いを申し上げます。

 対局前、珍しいできごとがあった。先に入室して下座についた余正麒に対し、やや遅れて現れた羽根直樹が「あれっ、私が黒じゃないかな」という。名人戦リーグは棋士の序列やリーグ内の順位に関係なく、黒番が下座と決まっている。「念のため、事務局で確かめてきてよ」と記録係に命じた結果は、羽根の黒番だった。

 30年以上も昔の名人戦で、黒番白番をまちがえて10手ほど打った例があった。どちらからともなく、おかしいと気づき、改めて打ち直したのだが、間違いに気づかず打ち終えたら、どうなったのか話題になった。両負けかもしれない。

 黒5のカカリに対して、AIの影響か、最近は白6とカカリ返すケースをしばしば見かけるようになった。黒7のハサミに白8のコスミツケから10も同様だ。ここで黒Aと守ってはいけないのか。解説は山城宏九段。

 「黒Aは石がダブって打ちにくい。ただし黒Bは有力だったと思います。白Cなら黒Aと守る調子がいい」

 羽根が選んだのは最も積極的な黒11、13だった。余も強く白14と打ち込んで、早くもねじり合いが始まった。

(春秋子)

 消費 黒:18分 白:3分 (持時間各5時間)

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