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 本局の4日前、山下は井山裕太に挑戦した本因坊戦で敗れ、タイトル獲得はならなかった。すでに気持ちの切り替えができていたのだろう。本譜でも着実にポイントを挙げていく。

 白46のオサエが大きい。左下黒の死にを見据えつつ、下辺のワタリを残す。白48とノゾいて形勢やや白よしだが、右辺の黒模様のまとまり具合が勝負だ。高尾は黒49と広げた。ここの着点が議論になった。

 山下は白50とツケて応手を問う。黒51と厳しく応じたが、「黒63とハネて白51、黒52、白Aと生かし、穏やかにいくしかなかったでしょう」と蘇解説者。のちの進行で明らかとなるが、高尾が黒51とサガったのには見損じがあった。

 「黒49は63と堅くいくのだったか」と局後の高尾。山下は白B以下符号順に黒Gまで並べ、「これも一局ですか」。形勢はまだ白がいいが、黒は実戦よりずっとましという。

 蘇解説者は参考図の黒1を推薦する。実戦と同じ進行なら右下の戦場に近いほうがいい。白2からのコウは白のコウ材が乏しい。本譜の白Hには黒aとコウを解消して黒よしだった。

(内藤由起子)

 消費 黒:1時間33分 白:1時間26分 (持時間各5時間)

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