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 とにかく暑い日だった。両者がこもる特別対局室の幽玄の間は朝からしっかり冷房が効いていた。黄はジャケットを着たままの時間が多く効き過ぎかと心配したが、設定温度の注文はなし。快適だったということだろう。

 黒69は隅の白の構えに着目した仕掛け。△とすでに厚いから、もっと固めても惜しくないと考えている。続いて白78、黒A、白B、黒70が黄の注文だ。

 張は白70から76と反発。黒81まで隅を明け渡す代わりに外勢を手にした。また、▲を腐らせたのも見逃せない成果といえる。

 黒83と白84は見合いに近い。白86も黒Cの利きを無効にする大きな切りだ。

 左上黒の死活を確認しておく。黒89のあと参考図の白1と置けば白7まで二眼はない。黒の命綱は黒8から10の出だ。白aなら黒bで生き。ただし、局面によっては黒10に白cと強引に取りにいくことも考えられる。

 張はこの強硬策を狙っていたか。白98から攻撃態勢についたあと白104が逸機だった。図の白1以下を決め、黒10に白a、黒b、白c、黒dを交換。隙のない厚みをバックに本譜の白Dが分かりやすかった。実戦はここから紛れる。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間25分 白:1時間44分 (持時間各5時間)

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