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 先月19日に打たれた本局と河野臨―芝野虎丸戦は朝日新聞デジタルと日本棋院の「公式囲碁チャンネル(ユーチューブ)」「ネット対局幽玄の間」で中継された。視聴された方はギリギリの勝負の臨場感を味わえたはずだ。午後4時から終局までは平田智也七段が解説を務めた。その解説者が感動した一手が勝着となった。

 黒37は上辺白の膨らみを意識した。黒39も同様の意図を感じるが、実は頑張りすぎだった。白40のナラビで46と66の切りが見合いとなっては苦しい。黒39は45、もしくは46と守るべきだった。

 黄は連絡をあきらめ、まず右上を黒45まで補強。中央の一団のしのぎ勝負に打って出た。白56からの攻めをかわせばヨセ勝負に持ち込める。この判断に間違いはない。

 黒59に張の手が止まる。「軽率だったか」などとぼやき、12分考えて白60へ。

 平田「私にはここで白にいい手が見えなかった。白60には感動を覚えました。黒を取りにいかず、連絡を強要しています。黒61は仕方ありません。白62が利き、まず黒Aの分断が解消されました。さらに白70から74のアテ込みが成立。上辺が目いっぱいの白地になっては勝負ありです」

 なお白76は、形は悪くてもこれしかない。形よく白Bは黒77、白78、黒C、白D、黒Eで白地が激減してしまう。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間59分 白:3時間25分 (持時間各5時間)

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