【白中押し勝ち】212手完

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 午後9時15分、黄はアゲハマを一つ右下隅に置いて投了の意思を示した。張のリーグ戦7連勝、そして8月の最終局を待たず2009年以来の名人戦七番勝負登場を決めた。

 ホッとした表情ではなかった。勝って当然、挑戦者になるのは必然とでも言いたいように私の目には映った。名人位に就いていたころの彼に戻った感さえある。当時と大きく変わったのは体形だ。ボルダリングを趣味にしてから首回りと両手の指が太くなった。体調も良くなり、リーグ戦など持ち時間5時間の長い対局でも、集中力は途切れなくなった。

 本人もファンも待ちに待った井山裕太名人との再戦だ。「恐怖心はあります」といいながら、「挑戦者になるのが目標ではない」と言い切った。帰り際、「あと一局(最終戦)全力で頑張ります」と力強く宣言した。

 決め手になった白160(10の十二)は参考図の1で黒を捕獲できるように見える。しかし黒2が好手。白3に黒4で下辺に楽々連絡だ。白3をaなら黒3がある。

(松浦孝仁)

 消費 黒:4時間59分 白:4時間11分 (持時間各5時間)