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 序盤、対局室には独特の緊張感があった。ふたりとも居ずまいが美しく自然体に見えるが、まだ石数の少ない盤上に全神経を注いでいるのがわかる。剣豪同士が慎重に間合いをはかるかのよう。公式戦初対局だった。

 白36、38のツケ引きに黒39とツイだのが立ち遅れの原因。見るからに黒石がダブッている。「打ちにくい手ですが、黒52、白A、黒42、白Bを決めて黒Cと足早に展開したい」と金解説者。1手省いたので、白Dには黒E、白39、黒Fと生きていて腹は立たない。

 ヒラキとツメを兼ねる白40にまわって、白のムードがいい。黒45の押しに白55、黒46、白Gと冷静に受けていても不満はなかった。

 黒49のツケには要注意だ。参考図の白1と反発すると黒2、4の出切りが成立。石塔シボリ(18放り込む、19一子取る、21ツグ)を決めれば、▲の効果で白九子を取れる。「周辺の白は相当強化されますが、各所の黒が安定していて白の厚みが働きにくい。黒の実利が大きすぎます」と金解説者。なお、白25で26と粘るのはさすがに無謀である。

 白50、52と受ければHとアテる余地があるため、図の手段は不発に終わる。

(琴棋庵)

 消費 黒:50分 白:1時間16分 (持時間各5時間)

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