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 「芝野さんは、なかば強引に相手を戦いへ引きずり込む。恐れを知らぬ打ちぶりが好結果につながっている」

 金解説者が指摘するように、芝野は▲(41手目)あたりから河野の反発を誘って戦機をうかがった。隅の狙いは消されても黒55、57から仕掛ける。河野は芝野のペースに巻き込まれていった。

 白は64と切るのをこらえて参考図の1とトブのがわかりやすかった。黒2なら白3から7を惜しみなく決め9へ。白11、13の要領でさばけば満足。白aのアテから黒に寄りつく楽しみもある。黒2でbの守備重視なら、白cの切りが強烈だ。

 黒65のアテは筋悪。単に67とノビなかったのは白A、黒Bのあとの白C、黒D、白E、黒65、白Fの強襲を封じたものか。強心臓なだけでなく、用心深さも兼ね備えている。

 混迷の局面から白が抜け出す方法はほかにもあった。白68でA、黒B、白Gも有力。要は、右上の黒陣に手段を残しつつ、戦いを継続したい。黒地にさせていいのは、中央の優位性がはっきりしてからである。

(琴棋庵)

 消費 黒:1時間8分 白:2時間4分 (持時間各5時間)

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