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 黒33の出。芝野はためらうように碁笥に手を戻してから打った。危険な一手だった。

 参考図の黒1と出なければいけなかった。「白2、黒3の交換から白4が最強の抵抗ですが、8に構わず下辺を全滅させれば、中央は取られても黒の勝ちでした」と金解説者。黒17までと譜の55までを比べれば、図の黒が得なのは明らか。なお黒1、白4、黒5、白9には黒6と引いて十分である。

 午後5時半となり、夕食休憩に入る。再開後、河野は白34とアテコんだ。芝野の予想になかった絶妙の返し技。▲四子のダメヅマリと38の断点を強調され、黒は苦境に立たされた。

 黒35、37とハネカケツぐ粘りをひねり出した芝野は41、43のコウを挑み、力ずくで勝運を引き寄せる。黒37の発見こそ芝野の底力。黒Aのツギは白38と切られて窮している。

 黒45に白46と受けると白にコウ材がない。黒勝ちだ。

(琴棋庵)

 消費 黒:3時間16分 白:4時間31分 (持時間各5時間)

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