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 「やわらかいですねえ」と、検討室で本局に見入っていた清成哲也九段が嘆声をあげた。村川がこれから右辺で見せる構想を指してのものだ。

 白22、24に型通り黒Aと割り込むのは白B、黒C、白Dまで、白を攻めている雰囲気はあまりない。右辺は黒石が圧倒的に多い。この程度では満足できないだろう。そこで羽根は黒25と右下の白に圧力をかけた。

 小松「善悪はともかく堅いかな、というのが第一印象。私なら黒Eと構え、黒Fを狙いながら白に迫ります」

 ここを好機と村川は感じ取ったか。白26の踏み込みが力強い。黒27の反発には白28から32だ。なるほど、やわらかい。白26、28の二子は捨ててもいいと考えている。

 黒33では参考図の1と急襲したくなる。村川が用意していたのは白2と出る様子見だ。黒3に白4、6の分断を決行する。シチョウを回避する黒7を待って白8の切り込みだ。続いて黒a、白b、黒cに白dがある。

 羽根は黒33から大きく白を攻めようとする。Gあたりの薄みに備える白34に黒35、37と反発して火の手が上がった。

(松浦孝仁)

 消費 黒:1時間35分 白:1時間13分 (持時間各5時間)

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