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 若い。一力遼は20歳、芝野虎丸は当時17歳だ。ひと昔前なら、まさかリーグ入りのかかる最終予選決勝とはだれも思わないだろう。

 一力は第39期、そして前期に続く3度目の決勝進出。静かに対局開始を待つ姿には威圧感が漂っていた。引き締まった上半身に厚みのある太ももは、アスリートを連想させる。

 芝野はどこか頼りない。腕相撲なら一力にかなわないだろう。しかし、盤上の彼は格闘家に変貌(へんぼう)する。生きるか死ぬか、スリルを楽しむかのように。本局でも大暴れする。

 序盤からテンポよく進む。右辺を割り打つなら白14が最適。白Aでは黒Bに白16と二間に構えられるものの、厚い右上の黒に近寄っていて息苦しい。

 白16の打ち込みは芝野の趣向。続いて黒25なら白Cからハネツぐつもりだ。一力は黒17へ。黒23のハネを先手にして25へ回り、芝野の狙いを外す。もっとも、白も22まで上辺が厚く、互角の立ち上がりだ。

(松浦孝仁)

 消費 黒:29分 白:23分 (持時間各5時間)

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