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 今期リーグ戦で見たい対局の読者投票をすれば、井山裕太―芝野虎丸戦はまちがいなく1番人気だろう。両者の姿勢には共通点が多く、常に最強手で相手を倒そうとする。したがってハラハラドキドキの連続でおもしろい。日本棋院のネットサイト「幽玄の間」でも中継され、タイトル戦なみのアクセス数だったという。

 ただし一つだけ苦労があった。記者ではなく、解説を担当した石井邦生九段である。解説者いわく「とくに中盤は難しすぎて分からないことばかりだった。私なりの結論を出すのに10日間も碁盤とにらめっこでした」。注目の初対局。序盤は大急ぎで通過しよう。

 星と大ゲイマジマリの組み合わせは最近の井山が得意とする型。対する芝野は白6とさっそく三々。AI革命によって、かつては論外とされた三々入りが、いまや定石として定着しつつある。その中でも黒9に白10から14、16と出切るのが変化も多く、難解型に導かれやすい。

 白28と黒三子を制したところまでが定石化された運び。井山は黒29から一直線に決めて押しつけた。

 石井解説者「黒29ではAにトビ、白30、黒Bも有力。また黒35では39にケイマして、白C、黒37、白D、黒Eが勢いよく見えますが、井山くんは黒の形をやや薄いと判断したのかもしれません」

(春秋子)

 消費 黒:9分 白:22分 (持時間各5時間)

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