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 「あっ、きょうも打ってる!」

 2月21日、日本棋院東京本院。10歳での史上最年少入段が決まっている仲邑菫さんが、記者室のモニターに映る黒1、3、5を見てにっこり笑った。

 前日、テレビでも報道されたように、菫さんは台湾の黒嘉嘉七段と対戦。この日はリラックスして父・信也九段と再び本院を訪れ、副理事長の小林覚九段に案内されて館内を見学していた。

 黒1、3、5は河野が昨秋から頻繁に試みる布陣。菫さんは1月6日の井山裕太戦、韓国で打たれた23日の崔精戦で立て続けに用いた。変則的な構えなので理由が気になっていたが、信也九段に尋ねると、河野が打っているのを見て気に入ったのだという。対局室にいる河野に、じかに聞かせたかった。

 各棋士が8戦する名人戦リーグは黒番白番が4局ずつある。前半に黒番が偏った河野は、ここまですべて同じ布陣である。

 黒7の肩ツキには具体的な意味がある。白10の三々入り以下黒19に続いて白Aと切れば、黒B、白C、黒20、白17、黒21、白D、黒E、白Fの流行定石に進む。ここで黒Gと白一子をシチョウにカカえられることが黒7の効果だ。黒5の位置もよく、黒は大満足である。

 鈴木は白20とアテ、黒の注文をはずす。白22、黒23で上辺が焦点となった。

(琴棋庵)

 消費 黒:26分 白:1時間14分 (持時間各5時間)

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