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 最終ラウンドの結果と、張栩名人への挑戦者が誰になったのか、読者はもうご存じのはずだ。これからその戦いの跡を大急ぎで振り返ってみよう。挑戦に関係するのは次の3局で上段が挑戦者候補である。

 井山裕太―羽根直樹
 芝野虎丸―鈴木伸二
 河野臨―山下敬吾

 候補の中の一人だけが勝つと即挑戦決定。二人が勝つとプレーオフに進む。三人とも勝つか負けると、リーグ順位が下の河野ははじき飛ばされ、井山と芝野によるプレーオフとなる。以上を踏まえて井山―羽根戦に注目していただこう。リーグ残留を決めている羽根にとっては、いわば気楽な一番だが、こんなときの羽根はゆるめるなんてまったくなく、こわい相手だ。

 羽根の黒番。1、3、5は昭和後期に大流行した布陣。最近は白8とカケられるのを嫌う傾向の中で、羽根だけは黒9、11と平気で受ける。いつも書くように、最も昭和のかおりのする棋士だと思う。黒13と中心点を占めれば、白8、10の利かしにどれだけ価値があるのかと考えているのかもしれない。

 下辺黒15のカカリから軽く19と構え、白20とカケて局面が動く。黒21、23のツケフクレに白24のアテはほぼ絶対だろう。白Aと利かされるようでは、黒B、白C、黒Dと出切られ、たちまち主導権を明け渡すことになる。

(春秋子)

 消費 黒:36分 白:17分 (持時間各5時間)

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