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 歴史は繰り返すという。11年前、19歳の井山裕太を挑戦者に迎えた張栩名人は、死力を尽くして戦い、フルセットの末に防衛を果たしたのだった。そしていままた、名人は19歳の芝野虎丸を挑戦者に迎える。

 この間、張を中心とする平成四天王から井山の天下へと、碁界は大きく動いた。しかし名人の席に井山はいない。歴史は繰り返すといっても、状況は異なるのだ。

 前夜祭での決意表明がいい。名人は「魅力的な碁を打つ芝野さんとの対戦は楽しみ。盛り上がるシリーズにするよう自分らしい碁を打ちたい」と語れば、いつもは消え入りそうな声の挑戦者は、はっきりと「自分が碁を始めたころに活躍されていた張名人の相手になるとは、不思議な気がします。2日制は初めてですが、盤面に集中して頑張ります」と述べ、ひときわ大きな拍手を浴びた。

 猛暑が一段落した8月27日、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」の離れの「錦水」に挑戦者、名人の順に入室し、対局開始の9時を待つ。「時間になりました」。大竹英雄立会人のひと声で握りが行われ、名人の先番と決まった。

 双方二連星から黒7まではしばしば見かける布陣。白8のダイレクト三々もすっかりおなじみになった。白12はほかにAやBがあるのもご存じのとおりだ。

(春秋子)

 消費 黒:5分 白:9分 (持時間各8時間)

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