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 序盤早々、一力が壁攻めを決行し、局面はにわかに険しい。

 黒35から37とオサエ込んだのは、白38とアタマをたたかれ、感じが悪い。「白を取りにいかないほうがよかったか」。局後、一力は首をかしげた。

 金解説者「黒37は参考図の黒1とノビて、白を逃がすのがよかった」。黒11から下辺の白をヘコまし、右辺も白を攻めながら囲う。これなら黒優勢だった。なお黒21で26の切りは白a、黒b、白cで黒二子が取られる。

 張は右下の白七子を捨て気味に打つ。白40と切って黒二子を先手で取り込んだ。白48、50は機敏な様子見だ。

 「右下の分かれは、そんなにいいと思わなかった」と一力。張も「それほどやられている感じもしなかった」と判断が一致。しかしこのあと、流れは黒に傾いていった。

 原因は、たった1分の考慮で打たれた白52だ。局後に金解説者から指摘されると、張は顔をしかめ「ああ、そうか」と天を仰いだ。そのわけは次譜で。

(内藤由起子)

 消費 黒:39分 白:57分 (持時間各5時間)

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