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 芝野虎丸という19歳の新名人が誕生した第44期名人戦。10代どころか20代の名人はありえないと言われていた昭和のころがうそのようだ。各界で見られる能力開花の低年齢化が碁界にもやってきた。

 第45期名人戦の予選から最初に特選譜として紹介するのは初段の奮闘だ。辻篤仁(つじ・しげひと)は関西棋院所属の17歳。二段昇段より早く最終予選まで勝ち上がってきた。予選Aで負かされた瀬戸大樹八段の辻評が興味深い。「打ってみたら強かった」。入段後の成績はほぼ打ち分け。意外性が持ち味としたら大化けの可能性もある。史上初の初段のリーグ入りまで、あと3勝だ。

 対するはリーグ在籍8期、32歳の黄翊祖八段だ。初めて名人戦リーグに入ったのは18歳、四段のとき。これは当時の最年少記録だった。

 黒1、3、5の布陣に白6から12は頻繁に目にする。黒13の三々入り以下も見慣れた進行だ。白20のツメに黒21は、芝野名人が七番勝負の第2局で用いた。

 「黒21でAは打つ気がしません。白B、黒C、白Dとなると、黒は安定感を欠きます」と解説の結城聡九段。

 右上を白24から荒らされたのは想定内。辻は黒33まで勢力を蓄えた。

(松浦孝仁)

 消費 黒:30分 白:18分 (持時間各5時間)

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