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 今春、許は専門紙の企画で入段したての若手に胸を貸した際、自身のプロ入り当時を振り返ってこう語った。

 「僕の目標はリーグ入りでした。でも達成できたかは微妙」

 入段7年目。棋聖戦Sリーグしか出場していない現状をよしとしない発言だが、9月に本因坊戦リーグ入りし、本局に勝てば三大リーグすべてに在籍する。これは一流棋士の勲章のようなもの。井山より若い世代では誰も成し遂げていない。

 黒61と封鎖して盤上に緊張が走る。白66の出に黒68とツグのは白A、黒69、白67。左辺白と左下黒の攻め合いは白有利である。

 黒67が鋭い。参考図白1以下が黒の狙い。白aとカカえても黒bがあるので白が困る。「黒71まで実利が大きい。序盤、やや立ち遅れた黒が持ち直しました」と加藤解説者。

 許の技に感心した検討陣は、三村の構想にも目を見張る。白74を惜しみなく利かして、76、78から右下一帯を目いっぱい広げた。

 双方とも中央の大石に不安がある。なお、白64と黒65の交換によって白はワタリの保険を失った。これがなければ黒85、白86のあとでも白B、黒65、白C以下Gのコウの粘りがあった。

(琴棋庵)

 消費 黒:4時間37分 白:2時間37分 (持時間各5時間)

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