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新旧十段の一戦だ。伊田篤史は2015年に十段位に就いたが、翌年に井山裕太の挑戦を受け、タイトルを明け渡した。それが井山に最初の七冠独占をもたらした。あれから6年になる。
その後の伊田は七大タイトルから遠ざかっていたが、今年は10勝1敗と好調だ。
調子の良さでは許家元も負けていない。年初の名人戦リーグで山下敬吾に負けたが、その後勝ち続けて連勝を10まで延ばしている。
前夜に福島県沖を震源とする震度6の地震があった3月17日。
午前10時ぎりぎりに許は幽玄の間に入ってきた。地震で眠れず、朝体調がすぐれなかったという。下座につくと同時に開始を知らせるブザーがなり、すぐに黒1を星に打った。
黒7の小ゲイマガカリに白8の二間高バサミは「最近あまり打たれなくなっています。黒13とオサえられて白がやや不満という研究があり、避ける傾向にあります」と解説の金秀俊九段。
難解定石に突入しているのに、ノータイムの着手が続く。伊田が用意した研究の手を試み、許も受けて立っているのだ。
金「黒17のアテから19は、AIのアルファ碁が打ち出した革新的な手法。白20のカケもAI推奨の手です」
白40まであっという間。始まって12分しかたっていない。猛スピードの進行だ。
(内藤由起子)
消費 黒:10分 白:2分 (持時間各5時間)
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