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井山八段、圧倒的強さ 囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦

2009年8月19日

写真リーグ優勝を8戦全勝で飾った井山裕太八段=6日、日本棋院関西総本部

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 第34期囲碁名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)は、7月に張栩名人への2年連続挑戦を決めていた井山裕太八段が全勝優勝を飾って8月6日に全日程を終えた。2位の山田規三生九段が6勝2敗の成績を挙げたものの、ほか7人は3敗以上。他を大きく引き離しての完全優勝だった。

■全勝、5人目の快挙

 6日の最終一斉対局は、大阪の日本棋院関西総本部で井山―小県真樹九段、山田―坂井秀至七段の2局、東京の日本棋院本院で趙治勲二十五世本因坊―小林覚九段、高尾紳路九段―王銘エン(エンは王へんに宛)九段の2局が打たれ、最終成績は表のようになった。

 最終局にも勝った井山は「8戦全勝は自分が一番びっくりしています。これからもなかなかないことでしょうから、うれしい」と語った。名人戦リーグで全勝優勝を達成したのは過去、73年の第12期旧名人戦の石田芳夫七段(当時)、第16期名人戦(91年)の林海峰九段、第23期(98年)の王立誠九段、第28期(03年)の山下敬吾九段の4人しかいない。

 終わってみれば、井山はライバルたちに星二つ以上の差をつけた圧倒的な優勝だった。「苦しい碁もあったけれど、『打ちたい手』を打つことができ、全体として自分なりに満足できる内容でした」と充実のリーグを振り返った。もっとも苦戦したのは2月の張豊猷七段戦。「途中はかなり厳しい状況でした。苦し紛れともいえる一手が結果的には成功し、逆転できた。あれが大きかった」という。

 挑戦権を争ううえでの強敵とみていた山田と高尾に勝って4連勝としたのが3月。ちょうどその3月に、全勝者が井山ただ一人となる。そして5月には1敗で追っていた坂井を破って挑戦権が近づく。「負けていたらリーグは混戦になるところでした。坂井さんに勝ち、完全に挑戦権を意識しました」。6月に山田が敗れて1敗者が消え、井山は7月の小林戦に勝ってリーグ優勝を決めた。

 「勝って挑戦を決められたのが良かった」と話す井山は、昨秋から今年にかけ、王座、棋聖、碁聖の三つのタイトル戦の挑戦者決定戦ですべて敗れるという悔しい思いをしている。名人初挑戦の昨年は、追走者の山田が敗れた瞬間に井山の挑戦が決まり、リーグ最終戦に敗れて6勝2敗の成績で七番勝負に臨んだ。今年は8戦全勝の勢いを持続したまま、張名人に挑むことになる。

 一方、最後までもつれた残留争いは趙が小林に勝ってきわどく6位に入った。両者は3勝5敗の同星ながら、規定によりシード順の高い趙が生き残った。6期連続、通算では8期リーグ在籍の小林は、王、張豊猷とともに最終予選にまわり、リーグ復帰をめざすことになる。(伊藤衆生)

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