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中盤以降の読み比べか 石田二十四世本因坊の名人戦展望

2009年8月26日

写真石田秀芳二十四世本因坊

 挑戦者決定リーグ戦で井山さんが全勝優勝し、再び張名人に挑戦する。昨年は勢いの挑戦。今年は危なげなく順調に、と言ったらほかの人たちに悪いけれど、それなりに実力差のない出場棋士のなかで、一人だけ別の領域で戦っていたような印象だ。昨年、張名人とほぼ互角の勝負をしたことが、相当な自信になったのだろう。

 井山さんの特徴である落ち着いた打ちぶりは、昨年よりも際立ってきた。技術的にはあまり変わらないが、トップ棋士になったことで簡単には負けられないという、ポジションに対する自覚がある。

 張名人は最近まで17連勝するなど、勝ちまくっている。精神的に不利な立場にあった昨年の七番勝負で、2連敗から気持ちを軌道修正したのはさすが。そこから3連勝し、最終局で踏ん張った。いまや五冠を保持し、実質ナンバーワンの存在だ。ただ、三大タイトルは名人だけだから、一番大きいものを奪われるわけにはいかない。たたけるうちにたたくという気持ちで臨むだろう。精神的には昨年とは違う。相手を一人前と認めるほうが戦いやすい意味もある。

 あれから1年。互いの成長がどうかということだ。勝ち星で一、二を争う好成績を挙げ、充実している。好調同士とあって、第1、2局の占めるウエートが昨年よりも高いとみる。2連勝スタートはぐっと有利になる。まあ、両者とも簡単には負ける感じがしないので、やはり最終局にもつれるか。

 展開としては中盤以降の読み比べになるだろう。序盤から急戦になるとは考えにくく、ジャブの応酬でポイントを稼ぐ。早い段階で優劣がつくこともない。早打ちの名人に対して、井山さんも長考派ではない。終盤勝負に備えた時間配分も問題なく、不安材料はどちらにもみあたらない。

 今後10年は戦い続けるであろう好カードです。その「第2章」は、心技体の充実したかなりの好勝負が期待できるでしょう。

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