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囲碁名人戦七番勝負第1局1日目ダイジェスト

2009年9月3日

写真封じ手を石田秀芳二十四世本因坊(右)に渡す挑戦者の井山裕太八段。奥は張栩名人=3日夕、札幌、吉本美奈子撮影

図拡大(1〜36手)

図拡大(37〜63手)

図拡大〈途中図〉先番・張名人(83手まで)55コウ取る(47)、58同(52)

写真巻幡多栄子三段に指導を受けるファンら=札幌市中央区

写真前夜祭で七番勝負の見どころについて語る(左から)石田秀芳二十四世本因坊、マイケル・レドモンド九段、王銘エン九段、河野臨九段。右は聞き手の巻幡多栄子三段。

写真第34期囲碁名人戦第1局で、第一着を打ち下ろす張栩名人。右は挑戦者の井山裕太八段=3日午前9時、札幌市、吉本美奈子撮影

●挑戦者、封じる

 午後5時32分、井山挑戦者が84手目を封じて1日目が終わった。消費時間は張名人3時間11分、井山挑戦者4時間21分。4日午前9時に再開する。

 名人が黒63と迫って緊迫した局面を迎え、挑戦者は42分を投入して白64のコスミツケからしのぎをはかる。名人も黒65に43分を費やして読み比べになった。挑戦者は白66の切りから味をつけて白74と中央へ脱出。中央付近の競り合いのさなかに封じ手を迎えた。解説の河野九段は「黒73の時点では長期戦に進みそうな展開になっています。しばらく中央の競り合いが続きそうです」と話す。

●指導碁にぎわう

 対局場のホテルでは、マイケル・レドモンド九段、巻幡多栄子三段、大木啓司七段による指導碁があった。地元ファンらは多面打ちで指導を受け、プロの丁寧な解説に耳を傾けていた。

 札幌市の平尾幸子さん(79)は囲碁歴20年で三段の腕前。「自分の攻めが足りていない点や、地が大きくなるように打つポイントなどを優しく教えてくれた」と話した。

●名人、過激な攻め

 再開後の名人の第一着は右上の戦いを続行する黒37だった。右下の白を分断して攻めを狙う。その白の大石を横目に名人は左下黒47、49とツケフクれる。白54とコウを仕掛ける挑戦者に対し、黒は59と素直にツグ。左下は部分的には白が得をしているが、名人は黒63と過激に白の大石に襲いかかった。「おっ、行った!」と検討陣から声があがった。

●七番勝負の見どころ

 2日に開かれた前夜祭では、関係棋士による見どころ紹介があった。

 新聞解説の河野臨九段は「張名人は読みの正確さや速さはもちろんですが、判断力がすごい。井山挑戦者も読みがしっかりしているし、感覚がすぐれている。面白くなることは間違いない」。

 NHK衛星放送解説の王銘エン九段は2人の調子について「井山さんは相変わらず順調に勝っている。個人的には張名人は調子が落ちているんじゃないかと思う。井山さんは昨年から活躍され、内容もすばらしいが、その割にタイトルを取れなかった。エネルギーがたまっている井山さんが先行するんじゃないかなという気がしている。そこで名人が本気を出すんじゃないか」。

 現地で大盤解説を務めるマイケル・レドモンド九段は「井山さんは抜群の成績で、碁の内容もいい。昨年は張名人の方がちょっと強いかなという感じだったが、今の方が接近している」。

 石田秀芳二十四世本因坊は「晴れの名人戦で戦えるのは2人にとって幸せ。充実感があふれていると思う。第34期の名人戦は最後まで昨年以上の内容が見られると思う。たぶん7局までいくと思う。張名人が21歳の時に本因坊になりかかったのを、ここにいる(王)メイエン君が頑張った。そのおかげで3大棋戦では私の最年少記録の22歳は破られていない。ぜひ井山君には破っていただきたいが、張名人は自分が新記録を達成できなかったから、井山君に達成させるわけにはいかない。そういう構図がある。今期の名人戦は最高の形です」と話した。

●序盤から難解な戦いに

 午後1時、対局が再開した。

 36手まで進んだ午前中は、黒11に対して、井山挑戦者が白12、14と意欲的に仕掛けていきなり難解な戦いに突入した。張名人の黒21の押しは強い態度。挑戦者は白22とノビて、黒23、25を許した。解説の河野臨九段は「白22、26という悠然とした手で戦えると判断しているのは井山さんらしい」と話す。右下白は標的になりかねないところだが、白28、30がうまい整形で、ここまでは好勝負が続いているという。河野九段は「再開後の注目は、名人が一段落とみて他の方面へ打つか、さらに右下の戦いを継続させるかです」と語った。

●昼食休憩に

 正午になり、張名人が37手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は張名人が1時間10分、井山八段が1時間50分。

●張名人、初の星打ち

 先番・張名人の第一着は右上星だった。張といえば「初手小目」と相場は決まっていたが、解説の河野臨九段によると、最近は右上星(黒1)から右下小目(黒3)が張のお気に入りの布陣という。ただし、6年連続で登場している名人戦七番勝負に限っては、張の第一着星打ちは初めて。

●大勝負始まる

 張栩名人(29)に井山裕太八段(20)が挑戦する第34期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局が3日、札幌市中央区の京王プラザホテル札幌で開幕した。2年連続の顔合わせで、張名人は3期連続通算5期目、井山八段は史上最年少での名人位獲得を目指す。

 午前8時50分、比較的早めに張名人が対局室に入室。同53分、井山八段が入室した。9時になり、立会人の石田秀芳(芳夫)二十四世本因坊が「時間になりましたので、握ってください」と告げた。「握り」の結果、先番になった張名人は、ほどなくして右上隅星に着手。熱戦の火ぶたが切って落とされた。

 対局は2日制。持ち時間は各8時間で、4日夜までに決着する見込み。

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