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囲碁名人戦七番勝負第2局1日目ダイジェスト

2009年9月16日

写真封じ手を書いた棋譜を立会人の武宮正樹九段に渡す井山裕太八段(左)。奥は張栩名人

写真拡大先番・井山八段 78手まで

写真拡大先番・井山八段 (53手まで)

写真拡大先番・井山八段 (18手まで)

写真第34期囲碁名人戦第2局で、第一着を打つ挑戦者の井山裕太八段。左は張栩名人=16日午前、熊本市上通町のホテル日航熊本、柏木和彦撮影

写真第2局で使う碁盤に揮毫(きごう)する張栩名人=熊本市上通町のホテル日航熊本

写真盤の裏に両対局者が揮毫した。「惜福」の書は名人のもの=熊本市上通町のホテル日航熊本

●挑戦者が79手目を封じる

 午後5時40分、井山八段が79手目を封じて1日目を終えた。消費時間は井山八段4時間12分、張名人3時間28分。2日目は17日午前9時に再開する。

●右下一帯で駆け引き

 午後の第一手は白54の押し。上辺の黒をにらんでいることはいうまでもない。挑戦者は黒57と中央へ向かって進出。名人が白58とノビたところで、戦場は右下へと移行した。

 右下黒59から勢力と実利をめぐる駆け引きが始まった。黒61、63と攻める構えを見せていた挑戦者は、白64に対して一転、黒65、67から隅の地を稼ぐ。名人は白70とハネて手厚い形を得た。

 挑戦者の黒73、75は白の反発を誘っているような手。名人が白76とコスミツけ、さあどうなるか。

●前夜祭、盛大に

 15日夜はホテル日航熊本で前夜祭があった。両対局者が抱負を語って退場した後、解説の棋士らが第2局の見どころを語った。

 立会人の武宮正樹九段は「第1局は井山君が堂々たる打ちぶりで、ほとんど負けようがないと思った。張名人だから逆転できたのでしょう。1勝1敗になった方が面白いので、井山君に頑張って欲しい」と述べた。新聞解説の溝上知親八段は「僕が解説した時は半目勝負になることが多いんです。張名人も(溝上八段が解説した時は)半目勝負にしたくなるみたいです」と裏話を披露し、会場を沸かせた。

 その後、棋士や参加者らがリレー形式で打つ「連碁」もあり、ファンは思い思いの場所に石を打って、棋士との交流を楽しんだ。

●右上で大型定石

 名人が中断していた右上を白24と押し、挑戦者が黒25とハネたことから、大型定石へと発展した。黒29となって、これは大ナダレ内マガリ定石と呼ばれる難解な変化。部分的には、比較的実戦例の多い進行をたどり、名人が54手目を考慮中に昼の休憩に入った。午前中は黒53まで進むハイペースだった。解説の小松九段は「名人としては、左上白を戦いに参加させながら、上辺黒をうまく攻めたいところです」と話した。

 ここまでの消費時間は、名人1時間31分、挑戦者1時間29分。

●ナダレ二つの珍形に

 序盤から興味深い変化になった。右上白6のカカリに挑戦者は黒7の下ツケ。名人は少考して白8、10とナダれていった。今年の名人は公式戦でナダレ定石を度々試みており、挑戦者もこの進行は想定内だったろう。

 しかし、黒11のノビに名人はいったん中断して左上白12とカカると、挑戦者がまたも黒13の下ツケで応じ、右上と左上でナダレができる珍形になった。検討室では立会人の武宮正樹九段や解説の小松英樹九段が「楽しいね。おもしろい」と声をあげた。

●5千年以上前のカヤの盤

 今回の対局で使われている盤は、5290年間、地中で眠っていた樹齢600年のカヤの木で作られた。カヤは佐賀県の工事現場から掘り出され、宮崎県綾町の碁盤職人、熊須健一さん(62)の手で生まれ変わった。めったにない逸品だけに、15日の検分の際、両対局者は緊張した面持ちで盤に揮毫をしていた。

●第2局、始まる

 張栩(ちょう・う)名人(29)に井山裕太八段(20)が挑戦する第34期囲碁名人戦第2局(朝日新聞社主催)が16日、熊本市のホテル日航熊本で始まった。張名人が防衛すると3期連続通算5期目、井山挑戦者が奪取すると史上最年少での名人位獲得となる。

 午前9時。立会人の武宮正樹九段が「時間になりましたので、始めてください」と告げ、対局が始まった。黒番の井山八段の第1着は右上隅小目だった。

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