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コウ争い、難解の前半 囲碁名人戦七番勝負 3局振り返る

2009年9月30日

図拡大【第3局】△張―井山

写真張栩名人

写真井山裕太八段

 張栩名人(29)に井山裕太八段(20)が挑戦している第34期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)は第3局を終え、期待どおりの激戦の連続となっている。いずれも大きなコウ争いのからむ難解な攻防で、第2局から連勝した井山挑戦者がリードして、10月7日からの後半戦へ突入する。

■返し技冴え、井山リード

 前半戦は「コウのシリーズ」と表現したくなるほどコウ争いが象徴的。開幕戦は現行の名人戦七番勝負史上5番目に長い304手にわたる戦いを張が制した。長いヨセ合いの契機となったのは163手目に名人が大胆に仕掛けたコウだ。

 張はコウ争いを得意にしていることで知られ、これまでのタイトル戦などで度々、コウ争いから勝機をつかんできた。この碁もコウに勝って終盤勝負に持ち込んだ。小ヨセで一瞬ミスをしたものの、逆転されることなく張の半目勝ちに終わり、「コウの張栩」を印象づけた。

 第2局は張の失着を境に井山が攻勢に転じ、井山優勢となった後に大きなコウ争いが始まった。手順を尽くした張の粘りに検討陣が驚嘆するなか、井山は丁寧に対処して勝ちきった。

 第3局は2日目再開直後に張がコウを挑んだ。コウ争いのさなか、井山の返し技が冴(さ)え、挑戦者が優位に立った。張は局面の複雑化をめざし、井山も真正面から受けて立つ。戦いはのa、b、cの3カ所に大きなコウのできる乱戦へと発展した。もっとも重要なaのコウを念頭に読み比べが続き、最後は右下一帯の白の大石を張が猛然と殺しに出て、井山が美しい決め手でしのぐという幕切れだった。

 前半戦を振り返った張は「井山さんは強いなあと感じます」と語る。「内容的には僕もそんなに悪くはないと思っていますが、第2局の負け方が不本意だった。手応えのあった局面で1手のミスから逆転された。終始難しい戦いのなか、井山さんは3局を通じてミスが少なく、レベルの高い戦いをしています」

 対する井山は「どの碁も難解だったという一言に尽きます」と語る。本人は3局とも途中までは少し苦しいと判断していたが、「その時その時で正しいと思った手を打った結果が、2勝1敗のリードにつながった」。

■第4局は10月7日

 札幌市、熊本市、兵庫県宝塚市と転戦してきた七番勝負は、10月7、8両日に仙台市で第4局があり、第5局以降はすべて静岡県内で予定されている。

 張は「苦しい流れを断ち切れるよう一生懸命がんばるしかない。後半の対局地は(住んでいる)東京から近く、体力的な負担も少ない。“ホーム”で戦うという気持ちで戦いたい」と語る。井山は「(七番勝負は)まだまだ長い戦い。そして、これからも難解な戦いが続くでしょう」と予想し、「集中力を切らさず、いい内容の碁を打ちたい」と気を引き締めた。(伊藤衆生)

     ◇

【七番勝負日程、結果】

第1局(9月3、4日)   ○張 △半 目 井山●

第2局(9月16、17日) ●張  中押し△井山○

第3局(9月24、25日) ●張 △中押し 井山○

第4局(10月7、8日)

第5局(10月14、15日)

第6局(10月29、30日)

第7局(11月4、5日)

      ――△先番

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