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囲碁名人戦七番勝負 第4局2日目ダイジェスト

2009年10月8日

図拡大<最終図>先番・井山八段(159手まで)

図拡大<途中図>先番・井山八段(115〜125手)

図拡大<途中図>先番・井山八段(114手まで)

図拡大<途中図>先番・井山八段(97手まで)

図拡大<途中図>先番・井山八段(82手まで)

写真封じ手「16の三」を打つ井山裕太八段(右)。左は張栩名人=仙台市太白区

●○鮮やかな決め手/武宮陽光の目●○

 突然の終局となりました。名人が投げ場を求めたのか、うっかりなのかはわかりませんが、既に打つ手に窮していた局面でした。

 白は140で左上隅の黒石を取ったのですが、それによって外からの締め付け具合による利きができてしまい、真ん中の白の一団が薄くなりました。その利きを見ながら、黒141と白の一団の眼形を奪った手が厳しく、白の打つ手が難しくなってしまいました。白は144と何とか上辺の黒に迫りながらしのごうとしましたが、そこで黒145と白のダメを詰めて黒149とハネ出したのが、白の締め付けを見ながら連絡を断つ鮮やかなカウンターパンチで、これが決め手となりました。

 局後、感想を聞いた印象では、左下での戦いで名人に誤算があったらしく、ここで非勢を意識したようです。その後の上辺での少し無理気味な頑張りは、やはりその意識の表れだったのでしょう。

 黒に的確に応じられて白の苦しい状況が続きましたが、左上から上辺にかけての戦いでは、黒も少しやり過ぎたかもしれません。白が先ほど触れた大フリカワリを選んでいたら、まだ難しい形勢だったようです。

 これで挑戦者は名人位奪取まであと1勝と迫りました。しかし、挑戦手合で無敵の強さを誇る名人ですから、このまま終わるとは思えません。第5局も本当に楽しみです。2日間、ありがとうございました。

●井山挑戦者、名人位にあと1勝

 第34期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は8日、仙台市太白区の茶寮宗園で2日目が打ち継がれ、午後3時53分、挑戦者の井山裕太八段(20)が張栩(ちょう・う)名人(29)に159手までで黒番中押し勝ちした。残り時間は井山挑戦者が56分、張名人が1時間47分。第5局は14、15の両日、静岡県熱海市で。

●「動」と「静」の対局態度

 午後3時を過ぎた。台風による風雨は強くなったり弱くなったりしているが、今のところ対局に影響はない。

 名人は時折「まいったな」などとぼやいたり指をポキポキと鳴らしたりして、落ち着かない。対する挑戦者は、手を口元に当てるなどするが、声はほとんど発しない。対照的な姿だ。

 片岡九段は「混戦になってきている。上辺の黒と右上から中央にかけての白が安定していない。非常に難しい戦いです」と話している。

●○「大フリカワリ」もあった/武宮陽光の目●○

 白126から黒129まで、お互い手を抜き合う気合の応酬ですが、白130ではさらに我が道を行って白128の一路下に出て上辺の黒を取りきり、黒も132と打って左上隅の白を取りきる、大フリカワリを選ぶことも有力でした。検討室では、「フリカワって白、形勢有望だったのでは」という声も上がっていました。

●○怖い打ち方/武宮陽光の目●○

 白126のハネに対し、黒128と受けていれば手堅かったと思います。続いて白139と頭を出せば黒127とマガって、難解ではありますが黒の面白い戦いだった気がします。実戦の黒127は気合の一着ではありますが、白128にブツカられて、この黒の一団の目が一気に薄くなるので、黒も大変怖い打ち方です。

●○局面、難解に/武宮陽光の目●○

 白120とサガった手は一瞬気づきにくいですが、黒の眼形を最も奪う厳しい手です。断点が2カ所あるので白121とツゲば一般的ですが、それだと黒の眼形が厚いのでシノギが楽になってしまいます。勢い、黒も121の切りから123、125とひっくり返して大変険しい戦いに突入しそうです。形勢が苦しそうだっただけに、局面が難しくなってきたのは名人としては歓迎ではないでしょうか。

●○積極的な挑戦者/武宮陽光の目●○

 検討室では黒の再開後の一着として、上辺をサガり、白に左上隅を守らせる展開でも黒に残りそうな形勢と見ていました。しかし、挑戦者は黒115とツケて左上隅を荒らすことを選びました。挑戦者の積極的な姿勢がうかがわれます。

●再開

 午後1時、対局が再開した。

●昼食休憩に

 正午になり、挑戦者が115手目を考慮中に昼食休憩に入った。消費時間は5時間32分、張名人4時間53分。

●台風近づく

 台風18号が本州に上陸したが、秋保温泉でも風雨が強まってきた。対局室がある離れでは、雨どいをつたって雨水が地面をたたく音が聞こえる。だが、両者は気に留めることなく、盤上に視線を落としている。

 七番勝負も10月に入り、対局室に冷房を入れなくても良い気候になってきた。名人、挑戦者共にスーツの上着を脱がない。寒がりな名人はひざ掛けを使っている。

●○黒、好調な石運び/武宮陽光の目●○

 白82からの戦いで白は隅の黒地を食い荒らしましたが、白76の石を切り離されて真ん中の白石が浮いてしまったので、あまりでかした感じはありません。

 白106に手を抜いて、黒107のノゾキから黒109とコスんだのが白を攻めながら右辺の黒地を安定させる一石二鳥の手です。また黒113の押しも白68の石を制しながら、遠く真ん中の白の一団をにらんだ手厚い手で、黒の打つ手打つ手が自然と好点に向かう展開になっている気がします。

●○一杯に「頑張る」名人/武宮陽光の目●○

 黒89では黒95にノゾけば堅いのですが、そこは白に利いてもらえず、白89とマゲられると黒は甘くなってしまいます。白も黒89に対してすぐに隅を受けるのでは、黒にノゾかれてつらいので、白90、92と出切ったのは勢いというものでしょう。前日の白76や白82、そして今の出切りはいずれも一杯に頑張った手で、名人は「勝負、勝負」と迫っています。挑戦者も最強の受けで応じ、激しい応酬が続いています。

●○封じ手は自然な一着/武宮陽光の目●○

 おはようございます。2日目もネット中継を担当します。よろしくお願いします。

 封じ手は大方の予想通り、「16の三」のブツカリでした。昨日の最終手白82に対して、白からのワタリを止めるのに封じ手のブツカリと白82の一路左のコスミツケとの2通りが考えられますが、実戦の方が手厚く、より自然でしょう。当然、名人も予想した手で、これからの数手は昨晩じっくり考えられたと思います。両者の頭の中でどのような碁が展開されたかが、午前中の見どころでしょう。

●封じ手は「16の三」

 張栩(ちょう・う)名人(29)に井山裕太八段が挑戦している第34期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)第4局の2日目が8日、仙台市太白区の茶寮宗園で始まった。ここまで井山挑戦者が2勝1敗とリード。張名人がタイに戻すか、井山挑戦者が名人奪取にあと1勝と迫るか注目の一番だ。

 午前9時、立会人の片岡聡九段が「時間になりましたので、並べ直してください」と告げ、1日目の手順が再現された。井山挑戦者の封じ手は「16の三」のブツカリ。予想された一着だった。

 対局は8日夜までに決着する。

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