2010年9月21日
前夜祭の会場で抱負を語る井山裕太名人(右)と高尾紳路九段=21日午後、山形県上山市、小宮路勝撮影
前夜祭の会場で花束を受け取る、井山裕太名人(右端)と高尾紳路九段(左端)=21日午後、山形県上山市、小宮路勝撮影
井山裕太名人(21)が挑戦者の高尾紳路九段(33)に2連勝して迎えた第35期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が22日、山形県上山市の旅館「古窯(こよう)」で始まる。同県での名人戦は初めて。名人が初防衛まであと1勝とするか、その勢いを挑戦者が止められるか。勝負の行方を大きく左右する一局となる。
21日は前夜祭が催され、約100人のファンでにぎわった。昨年亡くなった藤沢秀行名誉棋聖の弟子である高尾挑戦者は「(2連敗という)今の状況だと、師匠も上(天国)で顔をしかめていると思います。師匠の鬼のような顔を思いだしながら、気合を入れて打ちます」。対する井山名人は「ファンの皆さんに喜んでいただける、いい棋譜を残せるよう、精いっぱい頑張りたい」と決意を口にした。
第3局は22日午前9時から挑戦者の先番で打たれる。立会人は小林光一九段。2日制で持ち時間は各8時間。23日夜までに終局する見通しだ。(新谷祐一)