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囲碁名人戦七番勝負 第3局1日目ダイジェスト

2010年9月22日

写真第一着を打ち下ろす高尾紳路九段(右)。左は井山裕太名人=22日午前9時、山形県上山市、小宮路勝撮影

図拡大途中図(76−79手)

図拡大途中図(59−75手)

写真拡大途中図(39―58手)

写真拡大途中図(1−38手)

写真囲碁名人戦七番勝負第3局を対局に合わせ大盤解説する金秀俊八段(右)と巻幡多栄子三段=22日午後、山形県上山市、小宮路勝撮影

●名人が80手目を封じる

 黒75に名人が76とハサミツケたところで、挑戦者は放置していた右辺にまわり、黒77と切った。白78のアテに79とノビたところで封じ手時刻となり、午後5時31分、名人が80手目を封じて1日目を終えた。消費時間は挑戦者が3時間22分、名人が4時間9分。23日午前9時に封じ手が開封され、再開される。

●挑戦者、踏み込む

 黒73のノビに対し、白が74と下辺を守ったところで、挑戦者は75とツケた。鋭い踏み込みだ。このまま左下を白地にされてはたまらないと、手を付けた形。大盤解説で金八段は「相当読まないと打てない手です。ただ形勢がいい時の打ち方じゃない」と話した。

●挑戦者、ぼやき続ける

 挑戦者のぼやきが止まらない。

 午後2時55分「まいった」

 同56分「なんだこれ、どうしたらいいんだ」

 同58分「頭がいよいよ腐ってきたか、おれも」「なんだこれ」

 同59分「どうすりゃいいのかなあ」

 3時5分「いやあ、わかんないなあ」

 同8分「ああ……やっぱりまずいのか」

 同13分「わかんないや、はあ……」

 うめきながら59手目を打ったところで、おやつが出された。挑戦者がフルーツとコーヒー、名人がフルーツと冷たいレモンティー。しばし沈黙が続いたが、食べ終えた挑戦者は再びぼやき始めた。

 第2局で挑戦者がぼやき始めたのは2日目に入ってからだったが、本局では1日目にして早くも激しいぼやき。形勢が芳しくないと感じているのか、陽動作戦なのか。

●折衝は右辺に移る

 左側のコウ争いが収まったと思ったら、今度は名人が右下の黒石にツケ、右辺で折衝が始まった。対局室のモニターから挑戦者のぼやきが頻繁に聞こえるようになってきた。

●前夜祭で関係棋士が見どころ

 対局前日の21日に開かれた前夜祭。両対局者が抱負を述べて退場したあと、関係棋士による恒例の見どころ紹介が行われた。まず司会の巻幡多栄子三段が「対戦成績が10勝1敗と離れてますね」と水を向けると、NHK衛星放送で解説を務めるマイケル・レドモンド九段は「よくわからないんですよね。僕は高尾さんは強いと思っているから。七番勝負が始まる前は高尾さんは調子が良かった。井山さんはあまり調子がよくないという感じだった。この3局目で高尾さんが勝てば、『やっぱりオレは強いんだ』と思うでしょう。山場ですね」。

 大盤解説を担当する金秀俊八段は「高尾さんはお酒を飲むと強くなるタイプ。前夜祭では飲んでいたんで、明日はいけるんじゃないかと思います」と話して、会場を沸かせた。

 巻幡三段に「井山名人キラー」として紹介された新聞解説の秋山次郎八段は、名人を破る秘訣(ひけつ)を聞かれて「最初はよかったんですけど、井山さんは打つたびにどんどん強くなってきているのが分かる。僕も秘訣を聞きたいくらいです。井山さんは思いもつかない手を打つ。高尾さんはじりじりと、相撲で言えば寄り切りみたいな棋風。第3局は、高尾さんが井山さんを捕まえきれるかというところに注目しています」と話した。

 立会人の小林光一九段は「高尾さんは大変苦しい立場だが、2局目を見ていて、高尾さんは手応えを感じたんじゃないかな。七番勝負は1回勝つとがらっと景色が変わる。勝った方が自信持ちますから。そういう意味では楽しみです」と話した。

●対局再開後すぐに挑戦者が着手

 午後0時57分ごろ、両対局者が続いて入室。午後1時に対局が再開されると、挑戦者はすぐに左上3の二をツイだ。名人はコウを取り返したが、挑戦者が3の十一とノビたため、コウ争いは収まった。

●左辺でコウ争い

 立ち上がりは、黒が右辺一帯、白が左辺から下辺に勢力を広げる模様の張り合いだった。高尾挑戦者が黒5のシマリから7とヒラけば、井山名人も白6のシマリから8とヒラく。白20となったところで序盤の骨格ができあがった。

 白の勢力圏に入った黒21からが中盤戦。挑戦者の黒25ツケは意欲的なさばきの手段で、名人が白26と反発して戦いとなった。黒33のアテに、名人は22分考えて左上白34へ準備工作をして、左辺36の切りでコウを仕掛ける。黒37とコウを取られたときに白38が用意されたコウダテ。白38に対して挑戦者がどう応じるのか。午後1時の再開後は、まずそこに注目だ。

●挑戦者が考慮中に昼食休憩

 正午になり、高尾挑戦者が39手目を考慮中、昼食休憩に入った。消費時間は挑戦者が1時間14分、名人は1時間46分。

 昼食の注文は、名人がざるそば、挑戦者は天ぷらそば。

●高尾挑戦者の先番で第3局開始

 井山裕太名人(21)が挑戦者の高尾紳路九段(33)に2連勝して迎えた第35期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が22日午前9時、山形県上山市の旅館「古窯(こよう)」で始まった。

 名人、挑戦者ともに午前8時55分には対局室にそろい、じっと開始時刻を待った。午前9時、立会人の小林光一九段の合図で両者が一礼を交わす。先番の挑戦者が右上隅星に第一着を打ち下ろすと、名人は左上隅星に打って、戦いの火ぶたが切られた。

 対局は2日制で、持ち時間は各8時間。22日夕方に打ち掛け、23日午前9時に再開し、同日夜までに終局する見通し。

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