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囲碁名人戦7番勝負 第1局1日目ダイジェスト

2011年9月1日

図:途中図(47―56)拡大途中図(47―56)

写真:3時のおやつ。名人はフルーツ(手前)、挑戦者はケーキ(奥)が主体だ拡大3時のおやつ。名人はフルーツ(手前)、挑戦者はケーキ(奥)が主体だ

写真:第36期囲碁名人戦七番勝負第1局で第一着を打ち下ろす山下敬吾本因坊(右)と井山裕太名人=1日午前9時、東京都文京区の椿山荘、内田光撮影拡大第36期囲碁名人戦七番勝負第1局で第一着を打ち下ろす山下敬吾本因坊(右)と井山裕太名人=1日午前9時、東京都文京区の椿山荘、内田光撮影

写真:碁盤のいわれを聞きながら、本因坊秀哉の署名をのぞき込む井山裕太名人(右)と山下敬吾本因坊(左)拡大碁盤のいわれを聞きながら、本因坊秀哉の署名をのぞき込む井山裕太名人(右)と山下敬吾本因坊(左)

●挑戦者、封じる

 打ちかけにできる午後5時半を回り、同47分、挑戦者が57手目を封じる意思を示した。隣室で封じ手をしたため、対局室に戻って立会人の石田秀芳二十四世本因坊に封筒を手渡し、1日目が終わった。消費時間は挑戦者3時間55分、名人3時間52分と伯仲している。

 早くも1日目から、力戦派の両者が火花を散らした。挑戦者が黒45とブツカったところから難解な局面に。名人はこれに相手をせず、白48とノゾいて仕掛けた。挑戦者も黒49のオサエという強手で応じた。そのまま封じ手まで、夕方は右辺での応酬が続いた。黒45のツキアタリに39分、白46のケイマに41分という長考の応酬もあった。

 2日目は2日午前9時から。再開早々、激しい戦いに突入することが予想される。勝負は同日夜までに決着する見込み。

●名人、動く

 名人がよく動いている。盤上の話ではない。ふだんの対局では静かな名人だが、本局は中盤の入り口から首をかしげて顔に手をやったり、ぼやいたり、ため息をついたり。前期の名人戦では、挑戦者の高尾紳路九段のぼやきが多いのが話題となった。今期の名人のそれは、形勢がよくないとみてのものか、それともまったく無関係なのか。

●おやつの時間

 午後3時を回り、対局者におやつが出された。名人は、フルーツの盛り合わせ。メロンにイチジク、マンゴー、ブドウ(マスカットとピオーネ)と色とりどりだ。挑戦者は、ショートケーキとチョコレートケーキに、コーヒーをつけた。これを見た名人は、追加で紅茶を頼んだ。

 ところで、昼食を注文しなかった山下本因坊だが、いわく「昼食はふだんの対局でもとりません。タイトル戦も同じです」。2日制でも食べないとなると心配してしまうが、本人はいたって平気らしい。ちなみに、おやつのショートケーキはさっとたいらげた。

●挑戦者、長考の様子見

 棋風どおり攻めをにらんで打つ挑戦者に対し、しっかりと守る名人。互いに手厚く打ちながら、序盤はおだやかに進んだ。

 右上黒7や右下13の高い構えは、攻めに生かすねらい。名人は白18まで右辺を丁寧に守った。白22に黒が23と動き、下辺一帯が攻防の焦点に。午後に入り、両者とも下辺から中央へ進出する展開となった。白44とカケた名人に対し、挑戦者は39分の長考の末、黒45とツキアタった。名人の出方を問うた「様子見」だが、ねらいはなにか。現在、右下隅に白から侵入の余地がある。検討陣は、挑戦者が白の受け方によって、右下を備えるか、あるいは逆に右辺や下辺の白を攻めようと考えているのでは、と見ている。

 名人は黒45に対し、受けずに中央白46に回った。

●下辺で戦い始まる

 午後1時、対局が再開した。両者は正座し、背筋を伸ばして考えている。5分ほど経ち、名人は白36と黒35へコスミツケた。両者の手はその後、下辺一帯へ交互に伸びている。戦いは下辺で始まった。

●挑戦者、昼食とらず

 正午になり、両対局者は昼食休憩に入った。名人は温かいそばを頼んだが、挑戦者は注文なし。山下本因坊はふだんの対局から昼食をとらないという。

 局面は35手まで進んだ。対局は午後1時に再開する。

●由緒ある碁盤、再びひのき舞台へ

 若き名人と本因坊の頂上決戦として注目される七番勝負の開幕局。その記念すべき対局にふさわしい碁盤が用意された。

 さかのぼること61年。「火の玉」の異名をとった本因坊昭宇(橋本宇太郎)と「昭和の棋聖」呉清源が三番碁を打った。歴史に名を残す大棋士による、箱根小涌園(神奈川県)での第1局で使われたのがこの碁盤だった。裏には二十一世本因坊秀哉による「冨岳」の揮毫(きごう)がある。現在は今回の対局場を運営する藤田観光が所有している。

 31日夕方の対局室検分の際、この碁盤を示された両対局者は、関係者から由緒を聞きながら、大先輩の名人による裏の署名をしげしげとのぞき込んだ。井山名人は「緊張しますね」、碁盤がやや薄いと伝え聞いていた山下本因坊は「まったく問題ありません」と答え、採用が決まった。

 同日の前夜祭で決意表明した山下本因坊は、この碁盤のことに触れ、「本因坊秀哉先生のサインがしてあるということで、これは本因坊である僕にとっては……」と碁盤と自分との縁を強調。「自信を持って対局に臨みたい」と語り、喝采をあびた。ジャブを食らった井山名人は苦笑い。

 台風が近づき今にも降り出しそうな東京の空とは対照的に、由緒ある碁盤は21世紀のひのき舞台で再び晴れやかな音を響かせている。

●先番は挑戦者に

 井山裕太名人(22)に山下敬吾本因坊(32)が挑む第36期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第1局が1日、東京都文京区の椿山荘で始まった。3連覇をかける名人、初の名人位をねらう本因坊。力戦派どうしの激しい対決に注目が集まる。

 定刻の午前9時、立会人の石田秀芳二十四世本因坊が「時間になりましたのでニギリをお願いします」と告げると、名人がニギり、挑戦者が一子を差し出した。ニギリが奇数だったため、挑戦者が先番に。ひと呼吸おいて挑戦者は第一着を右上隅小目に打ち下ろした。名人は左上星で応じた。

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