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囲碁名人戦七番勝負 第4局2日目ダイジェスト

2011年10月6日

写真:封じ手を井山裕太名人(右)に示す立会人の小林光一九段。左手前は挑戦者の山下敬吾本因坊=6日午前9時2分、静岡県下田市、松本敏之撮影拡大封じ手を井山裕太名人(右)に示す立会人の小林光一九段。左手前は挑戦者の山下敬吾本因坊=6日午前9時2分、静岡県下田市、松本敏之撮影

図:最終図(1―198)拡大最終図(1―198)

図:途中図(101―164)拡大途中図(101―164)

図:途中図(67―100)拡大途中図(67―100)

図:途中図(46―66)拡大途中図(46―66)

図:〈途中図〉先番・井山名人(45手まで)拡大〈途中図〉先番・井山名人(45手まで)

★動じなかった本因坊〈ひろふみの深読み〉

 「白174が的確な対応。白6を抜かせて白180とオサえ、白の優勢がはっきりしました」

 「本局は、両対局者がお互いの読みを外し、予想しづらい局面を選んでいったので、検討陣の形勢判断は二転三転しました。終わってみると、本因坊の腰の重さが印象に残りました。まさに、動かざること山のごとし。一方、感想戦を見ると、名人は全局を通して形勢を悲観しているようでした。もしかすると、そうした心理的な要素が勝敗に影響したのかもしれません」

 「すごい熱戦で、形勢判断が難しい碁でした。形勢の微妙なニュアンスや手の意味などを的確な言葉に置き換えて解説するのに苦労しましたが、勉強になりました。本日もご覧いただき、ありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています」

●挑戦者が勝ち、3勝1敗に

 静岡県下田市で5日から打たれていた第36期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は6日午後7時15分、挑戦者の山下敬吾本因坊(33)が井山裕太名人(22)に198手までで白番中押し勝ちを収め、通算3勝1敗で初の名人位奪取まであと1勝とした。第5局は13、14日、同県熱海市で。

★下辺が勝負の分かれ目〈ひろふみの深読み〉

 「本局もいよいよ大詰めを迎えました。これから下辺での戦いとなり、それが勝敗を分けると思います。下辺での攻め合いは白に分があると思いますが、両対局者とも秒読みに入り、どこに妙手が潜んでいるかわかりません。勝負はまだまだ予断を許しません」

★名人、勝負手放つ〈ひろふみの深読み〉

 「黒159のケイマが勝負手。右辺の白と下辺の傷をねらっています。これを見た本因坊は白160、162としましたが、この2手はどうだったでしょうか。下辺の五子がダメヅマリで形がよくありません」

★挑戦者、少しリード〈ひろふみの深読み〉

 「名人は黒139と右辺で白一子を取りましたが、後手を引き、白から下辺に先着されてしまいました。すでに細かそうな局面でしたが、下辺に先着できたことで白が少しリードしたと思います」

★挑戦者、冷静な対応〈ひろふみの深読み〉

 「白も失敗はしたのですが、その後は冷静な手を重ねています。形勢は少し黒がいいと思いますが、微妙になってきました」

 「白は天元に切って黒四子を取る手があります。16目の手ですが、黒としてはそこを捨てて下辺に先着すれば形勢に自信があるはずです。白はそうさせまいと、下辺の大場に先着するほうが得策だと思います」

★名人、優勢に〈ひろふみの深読み〉

 「黒73と打たれたことで、白は上辺の二子が取られ、右上の味がなくなってしまいました。つらい分かれです。本因坊は『頭悪いなあ』などとぼやいていましたが、妖しげと思われた白60からの手順に何か誤算があったのかもしれません」

 「白86で87と打つと白は右辺で生きることはできますが、右下から右辺にかけての黒模様が地になり、簡単に黒を優勢にさせてしまいます。そこで、本因坊は紛れを求めて白86から右辺を捨てましたが、形勢は名人がいいでしょう」

●おやつの時間

 午後3時、名人にフルーツの盛り合わせが出された。挑戦者は注文なし。

★互いの読み、外しあう〈ひろふみの深読み〉

 「局面は急に難解になってきました。序盤と同じように、お互いの読みを外しあっています」

 「名人の黒59は気楽な様子見だったはずですが、白60のオサエから62の割り込みが妖しげな手。上辺に火種を残していますが、中央の黒にプレッシャーをかけるねらいがあります。黒63、65は、あわよくば上辺の白を封鎖し、その火種を大きくしようとしています」

●対局再開

 午後1時、対局が再開した。

 対局地の静岡県下田市は、前日の雨が上がり、雲間から薄日が差している。名人の背にある床の間は、ススキやシュウメイギクといった草花で彩られている。残暑の厳しいなか始まった今シリーズも半ばとなり、辺りは秋の空気に包まれている。

●昼の休憩に

 正午になり、昼の休憩に入った。名人の昼食は山かけそば。挑戦者は注文なし。

 局面は66手まで進んだ。持ち時間各8時間のうち、残りは名人2時間53分、挑戦者2時間58分。

★名人、持久戦を志向〈ひろふみの深読み〉

 「先ほど指摘した妙手は幻に終わってしまいました。一線にコスんで攻め合いの手数をのばすものでしたが、名人がそれを察知して緩めたのが黒53のノビです。朝から激しい戦いになると思っていたのですが、名人は持久戦を選びました」

 「黒59のオキは様子見の一着。名人好みの手で、白がどう受けるか悩ませています」

★挑戦者、妙手を用意?〈ひろふみの深読み〉

 本局のアサヒ・コム解説は大橋拓文五段が担当している。独自の深読みを交えつつ、終局までわかりやすくお伝えする。

 「おはようございます。きょうは朝からまた激しい戦いになると思われますので、目を離さずに見ていきます」

 「封じ手は15の五、ノビでした。検討室でも本命と考えていた手です。数手先に挑戦者の妙手が用意されている予感がします」

      ◇

 おおはし・ひろふみ 1984年、東京生まれ。2002年に入段(プロ入り)、2011年に五段。第1回おかげ杯準優勝。日本棋院東京本院所属。趣味はピアノ演奏。公式ブログ「ひろふみのブログ」(http://blog.goo.ne.jp/minamijyuujisei_1984)。

●挑戦者の封じ手、15の五

 井山裕太名人(22)に山下敬吾本因坊(33)が2勝1敗とリードしている第36期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は6日、静岡県下田市の清流荘で再開し、2日目が始まった。

 午前9時、立会人の小林光一九段が「時間になりましたので、封じ手まで並べ直してください」と告げると、両対局者が前日打った45手目までを盤上に再現した。立会人が読み上げた封じ手は、15の五のノビだった。

 持ち時間各8時間のうち、封じ手までに名人が3時間33分、挑戦者が3時間39分を使った。6日夜までに勝敗が決まる見通し。

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