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2012年10月11日18時36分
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囲碁名人戦七番勝負 第4局2日目ダイジェスト

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写真:大盤を使い解説する宋光復九段(右)と巻幡多栄子三段=11日、仙台市太白区のホテルニュー水戸屋、山本和生撮影拡大大盤を使い解説する宋光復九段(右)と巻幡多栄子三段=11日、仙台市太白区のホテルニュー水戸屋、山本和生撮影

写真:羽根直樹九段の昼食=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影拡大羽根直樹九段の昼食=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影

写真:1日目の手順を盤上に並べ直す羽根直樹九段=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影拡大1日目の手順を盤上に並べ直す羽根直樹九段=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影

写真:1日目の手順を盤上に並べ直す山下敬吾名人=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影拡大1日目の手順を盤上に並べ直す山下敬吾名人=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影

写真:山下敬吾名人の封じ手、6の十五(○印)拡大山下敬吾名人の封じ手、6の十五(○印)

写真:2日目の対局室に入る山下敬吾名人(右端)と羽根直樹九段=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影拡大2日目の対局室に入る山下敬吾名人(右端)と羽根直樹九段=11日、仙台市太白区の茶寮宗園、山本和生撮影

図:最終図(41―163)拡大最終図(41―163)

■山下名人が2勝目、タイに

対局生中継・棋譜中継はこちらから

 10日から仙台市太白区の茶寮宗園で打たれていた第37期囲碁名人戦七番勝負の第4局(朝日新聞社主催、河北新報社共催)は11日午後6時26分、山下敬吾名人(34)が挑戦者の羽根直樹九段(36)に163手までで黒番中押し勝ちし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。持ち時間各8時間のうち、残り時間は名人4分、挑戦者1分。

 第5局は17、18日、神戸市で。

■名人のパンチ……自分の頭に

 「ゴンッ」。突然、モニターから大きな音が響いた。名人が自分の頭をげんこつでたたいたのだ。「このまま名人が押し切りそう……」。検討陣が一致した結論を出しかけた時だった。身もだえする名人。明らかに苦しそうな表情だ。

 上辺黒139、141に対する、挑戦者の白142ノゾキが妙手だったようだ。名人の気合の隙をつくような一着に、検討陣からは「逆転か」の声さえ上がる。

 終局間近と思われたが、形勢はかなり接近したようだ。長期戦の雰囲気も漂い始めた。折しも、対局場の外は突然の大雨。波乱が起きるのか?

■名人リードか?

 2日目の夕刻を迎えた。中央での激しい乱戦は、名人が白石を攻めながら大きな戦果を得た。黒117の差し込みで白七子を取り、検討陣からは「名人優勢」の見方が出ている。黒117について、小林覚九段は「名人の『負けないぞ』という意思がこもった手」と話す。

 白118から、戦いは最後まで手つかずで残っていた右下へ移った。紛れるところがなくなれば、終局も早いとの声も出ている。ついに決着か。

■大盤解説会始まる

 午後2時、対局場の近くにあるホテルニュー水戸屋で、宋光復九段と、巻幡多栄子三段による大盤解説会が始まった。囲碁の解説会というと中高年男性が多い印象だが、180人が集まったこの日は、女性グループや外国人の姿も。2人の解説に、熱心にうなずいたり、メモをとったりしていた。

 山下敬吾名人と同じ緑星囲碁学園に学んだ巻幡三段は「名人は1人で勉強するのが大好き。タイトル戦中は昼食を食べないので、部屋で1時間、ずっと考えているのでしょう」、宋九段は「(羽根直樹九段の実父の)羽根泰正九段がすごいのは、息子に囲碁を本格的に教えなかったこと。羽根さんは名古屋の先輩棋士に育てられた」などと紹介した。

 途中で、立会人の林海峰名誉天元と、新聞解説の小林覚九段も登場し、拍手で迎えられた。小林九段が「挑戦者が苦しいんじゃないかと……」と言うと、林名誉天元が「いや、いま勝負どころですよ」。盤面を見た小林九段が「予想と違いますねえ」と驚き、「プロでも予想は当たりませんねえ」と会場の笑いを誘った。

 解説会後半には、仙台出身で第4局の記録係を務めている一力遼二段も登壇。「5年以内にタイトル戦に出られるよう、がんばりたい」と抱負を述べた。

■名人のパワー全開、険しい乱戦に

 午後の対局が始まってまもなく、局面が急展開した。戦いの場が右辺や下辺へ移るかに見えた矢先、中央で山下名人が強烈な一撃を繰り出した。

 黒81マガリ。「フルスイング」のニックネーム通り、中央の白を容赦なく攻め立てる厳しい一手だ。検討陣からは「すごい手が飛んできた」「きついパンチだね」との声が上がった。

 これをきっかけに、中央一帯は黒白入り乱れての乱戦に突入した。挑戦者も白88と激しく応戦するが、白石の眼を奪う黒93など猛攻が続いている。

 厳しい道を選んだ名人。戦いは佳境に入った。

■対局再開

 午後1時になり、午後の対局が始まった。

 白78まで進んだ午前中、山下名人は黒71、75と中央の白を攻めながら地を増やした。左上で黒の陣地が確定する一方、中央の白も安定。中央の攻防を経て、今後の焦点は、これまで手がつけられていなかった右辺や下辺へ移りそうだ。

■秋らしいお昼ご飯

 昼食休憩に入った。今日も名人は昼食をとらない。羽根挑戦者の今日のメニューは、稲庭うどん、ネギとベーコン、油揚げの白菜巻きと豆腐のくたくた煮、お重には、サンマずし、卵焼き、青菜のおひたし、しいたけうま煮、ショウガ、壬生菜(みぶな)、たくわん、梅干し。デザートに梨がつく。お重には紅葉の葉が添えられ、秋の雰囲気を目でも楽しめる。

■昼食休憩に

 山下名人が79手目を考慮中に正午になり、昼食休憩に入った。午後1時に再開する。

 ここまで持ち時間各8時間のうち、黒番の名人が5時間11分、白番の挑戦者が5時間28分を使った。

■戦いは中央へ

 2日目の昼食休憩まであと1時間を切った。前日のスローペースから一転、午前中はパタパタと30手ほど進んだ。

 長く続いた左辺の難解な攻防は、死んだように見えた白が生きて一段落。挑戦者は徹底的に地を稼ぐ方針のようだ。一方、白の包囲網を突破した名人は、中央白への攻めをうかがっている。当面は中央での攻防が焦点だ。

■静けさの中で

 今回の対局地、仙台・秋保温泉は、6世紀に欽明天皇が病をいやしたと地元で伝えられる、歴史のある温泉地だ。時代を下ってからは、伊達政宗のお気に入りだったという。

 対局室のある茶寮宗園は数寄屋造りの建物に、8千坪もの日本庭園が広がる。対局室からもガラス越しに、松や紅葉、よく手入れされた芝生の丘、小さな水の流れが見える。

 11日の早朝は小雨が降り、対局室はいっそうの静けさに包まれていた。対局が始まってほどなく、明るい日が差し込んだ。庭には時折、小鳥が舞い降りるほかは動くものはなく、音もない。すがすがしい空気の中で、いよいよ決着へ向けて、戦いが始まった。

■2日目始まる

 山下敬吾名人(34)に羽根直樹九段(36)が挑戦している第37期囲碁名人戦七番勝負の第4局(朝日新聞社主催、河北新報社共催)は11日、仙台市太白区の茶寮宗園で再開され、2日目に入った。

 午前9時、両対局者が1日目に打った40手までを盤上に並べ直し、立会人の林海峰名誉天元が封じ手を開封した。山下名人が封じていた41手目は、検討陣が大本命にあげていた「6の十五」。黒39ハネ出しの一路左をツいだ手で、白が築こうとしていた中央から左下にかけての壁を突き破った。

 山下名人が2勝2敗のタイに戻すか、羽根挑戦者が名人奪取にあと1勝と迫るか。勝負は今夜までに決まる。

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