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< 第29期名人戦挑戦者決定リーグ第8局 >
  先手 ●山下敬吾 棋聖     対   後手 ○山田規三生 八段

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棋譜
1〜32手

生きるのは利かされ

 一時期なりをひそめていた山田の剛腕が、最近復活している。盤じゅう戦いになる碁が多く、勝率も悪くない。

 白8では黒1と重複させようと、15にカケるのがよくある。トンで10にハサむなんて、まさに力自慢の発想だ。

 山下だって、力では負けていない。黒19と地をかせぎながらがんばり、白24のボウシを許して戦いを受けて立つ。

 黒27には手を抜いて白28に戻り、黒も右上は放っておいて29にたたき、それぞれ我が道を行く。

 たとえば黒29でAにコスミツければ無事だが、「生きる手が利かされになるので、受けにくいのですよ」と解説役の大矢浩一九段。白Bトビとの交換は、黒がつらすぎるという。

 黒31は右上を逃げる最後のチャンス。参考図の黒1なら頭を出せる。1で3では、白aで丸取られなので仕方がないが、ぱっとしない姿だ。白に8と逃げられ、実戦より劣る。

 黒は右下の白を、白は32までで右上の黒を包囲し、たちまち詰め碁が出現した。

 ただ山田にはひとつ手抜かりがあった。白32ではCなら黒を取り切れている。難戦の火種が残った。 [次の譜へ]

(内藤由起子)

2004年3月2日


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