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< 第29期名人戦挑戦者決定リーグ第10局 >
  先手 ●趙治勲 25世本因坊     対   後手 ○山田規三生 八段

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棋譜
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75〜108手

形勢微細

 黒75の切りで右辺白の生死が焦点になった。ただし、難しい選択を迫られているのは黒のほう。たとえ二眼でも、生きられたら地合いのバランスが崩れる。小さく生かして先手を取るという常用手段でさえ、ここでは通用しなくなっている。

 白78に激しく黒79と応じたのもそのため。白84以下の筋がみえみえでも、黒95まで実利を確保するしかない。

 小松「白の大成功でしょう。白Aが利き、中の白地は無傷のまま。白B、黒Cとなる権利も生まれています。逆転とはいえませんが、相当細かくなりました」

 黒の頼みの綱はどうにか確保できた先手。左辺を黒97、99と決め、盤上最大の下辺黒101に飛び込む。ここへ回っては、まだわずかに黒よしだろう。

 白102は周囲がしっかりしているからこそ成立するテクニック。続いて参考図の黒1にはだまって白2から4にサガっておけばいい。黒のしのぎは不可能だ。

 午後8時をすでに回っている。山田は白94、趙は黒97から秒読みに突入。これから100手ほどヨセが続く。勝敗のアヤを握っていたのはやはり上辺だった。昨譜のミスが趙に最後までからみつく。 [次の譜へ]

(松浦孝仁)

2004年3月16日


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