102〜138手
動き出す山下
張の白2のコスミにはこんな意味がある。昨譜の参考図でも触れた黒5に、白6から10の利きで応えるためだ。白12に続いて黒Aは白Bで眼形確保と白Cの連絡が見合いになる。
石田「張さんはギリギリのラインで踏ん張っています。白4や14、16も地でがんばった守り方です。味よく備えるなんて余裕はありません」
白4や14を手抜きするのは黒D、白E、黒F、白G、黒Hで大事件。黒Fに白Iは黒Gでやはり白に生きはない。
左辺黒21に白22以下30もからい決め方。記者室では初めて白有望説が流れた。
石田「並の碁打ちが黒ならあせるでしょうね。このまま平凡にヨセて黒が勝てるかどうか。それほど張さんのがんばりは見事でした」
ここまでの主役を張とするならば、以降スポットライトを浴び続けるのは山下だ。まずは黒33、35の手順に注目しよう。
白34で手抜きは参考図の黒1から3の切りが成立。コウは争えないから白は6(1のところ)にツグしかない。すると黒11まで左下の白はどこかが破れる。
先に黒35、白36を決めてしまうと、図の手段を失うことになる。
もっとも、この程度の働きは軽いジャブでしかない。山下は強烈なストレートパンチを用意していた。
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(松浦孝仁)
2004年7月27日