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< 第29期名人戦挑戦者決定リーグ第30局 >
  先手 ●小林覚 九段     対   後手 ○王銘エン 九段

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棋譜
74〜103手

名 人 の 不 満

 右辺で少々損をしたのは、先手をとって黒75と77に回りたかったからである。

 小林「黒77は前々から狙っていた。ただしその前に黒88、白Aと決めておかなくてはいけない。逆に白78を決められては、せっかくの狙いも威力半減です」

 その理由はプロ級の難問。ここでは地だけでも数目の差があったと書いておく。左辺を先手で破った黒は、91と上辺拡大をめざした。大一番らしく、どっしりとしてバランスのとれた進行だ。しかしすぐ均衡は破れる。

 三村「白92は意外。白Bとツケる味があるので92はどちらが打っても小さいのです。92は白94と消しを急ぐべきでしょう。黒93がきてからの白94は大変ながんばり。メイエンさんは悲観していたのかもしれません」

 午後4時すぎ、本因坊戦と碁聖戦の挑戦手合、世界選手権・富士通杯の準決勝と決勝を控えて大いそがしの依田名人が記者室に顔を見せた。

 「あれ、黒95とは小林さん、楽観しすぎているんじゃないかな」と、名人は不満そう。参考図の黒1と反撃したいというのだ。白2以下と動いても、▲がきているだけにしのぎは難しいとの結論だった。 [次の譜へ]

(春秋子)

2004年8月10日


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