|
打ち手再現 | 使い方 | 日程と結果
|
240手完、張本因坊3目半勝ち
|
終局直後に検討を続ける張本因坊(左)と依田名人=22日午後5時15分ごろ
|
検討を続ける、安藤七段、大竹名誉碁聖ら
|
名人戦の棋譜を解説する鈴木七段(右)と梅沢五段=午後2時40分ごろ、朝日新聞東京本社で
|
小学生に指導する梅沢五段=午後3時20分ごろ、朝日新聞東京本社で
|
矢代五段とレドモンド九段による解説にファンが熱心に聞き入った=午後4時ごろ、福岡市の「シーホークホテル&リゾート」で
|
対局場となった純和風の離れ
|
離れの庭から博多湾を一望
|
両対局者の昼食メニュー。苦瓜のおひたし、明太子、筑前煮、茶碗蒸し、鍋焼きうどん、巻寿司など
|
武宮陽光四段の指導碁を受ける小学生=23日午前11時55分ごろ
|
入室する依田名人は、子どもたちの元気な挨拶に顔をほころばす
|
検討室で小松英樹九段らの生解説を聞く子どもたち
|
2日目の対局にのぞむ依田名人(上)と張本因坊=23日午前9時すぎ
|
封じ手を張本因坊に示す大竹英雄名誉碁聖と、80手目を打つ依田名人=23日午前9時5分ごろ
|
張本因坊が3目半勝ち、1勝1敗のタイに
福岡市中央区のシーホークホテル&リゾートで打たれていた第29期囲碁名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局は、2日目の23日午後5時10分、黒番の挑戦者、張栩(ちょう・う)本因坊(24)が依田紀基名人(38)に240手までで3目半勝ちし、通算1勝1敗とした。持ち時間各8時間のうち、残り時間は名人1分、本因坊1時間34分。第3局は29、30の両日、名古屋市の名古屋マリオットアソシアホテルで。
形勢判断が終始難しい展開。張本因坊が堅実かつ冷静な打ち回しで最後に勝利を引き寄せた。
名人の封じ手(白80)から下辺の難解な攻防が中央や左辺に広がる。立会人・大竹英雄名誉碁聖ら検討室の判断も再三分かれた。右上や左上など地で先行する黒に対し、中央の白地も手のひらがすっぽり入る大きさ。最終の小ヨセが峠を越したころ、ようやく「挑戦者勝ち」の結論が出た。
解説の小松英樹九段は「中央白地の勘定が難しく、下辺黒は最後までコウ含み。終始判断が難しく、敗着もまだ分からない。名人の捨て石作戦、本因坊の下辺黒77の決断といい、第一人者同士の好局」と話した。
◇
〈依田名人の話〉白58は68だったか。捨て石はやりすぎだったかな。下辺も難しかった。
〈張本因坊の話〉小ヨセで得してやっと勝ちが見えた。下辺の戦いは難解で自信はなかった。
検討室では「黒優勢」
黒139のコスミが大きく、検討室では張本因坊が、ややリードとの評判。下辺の黒の大石は185のコスミでほぼ連絡しているが、白からコウに挑む勝負手が残されている。
子どものための大盤解説会 東京本社
名人戦に合わせて、朝日新聞東京本社では23日午後2時から「子どものための大盤解説会」が開かれ、この日を待ちわびた小中学生と保護者の計約120人が集まった。
大盤解説では、実際に行われている名人戦の棋譜を題材に、鈴木伊佐男七段と梅沢由香里五段が対局者の狙いなどをやさしく説明。時折、次の一手を考える問題も出され、正解が発表されると子どもたちから歓声が上がった。
鈴木七段は「題材が名人戦ということで、難しすぎるのではないかと思っていたが、無用な心配だった。名画を美しいと感じるのと同じように、囲碁の良さを素直な心で受け止めてくれていたのが壇上からも感じられた」と話していた。
その後は、囲碁インストラクターの林浩美さんを加えた3人による指導碁が行われ、子どもたちは憧れの人との対局に目を輝かせていた。
川崎市高津区の福田ひかるさん(10)は昨年に続き2回目の参加。囲碁好きの父親と2人の兄の影響で、物心がついたころから碁盤と碁石に親しんできたという。今回の大盤解説も「1日目の棋譜を家で予習してきたので、説明がよくわかった」と笑顔で話していた。
◇
対局会場のホテル「シーホークホテル&リゾート」でも、マイケル・レドモンド九段、矢代久美子五段による大盤解説会(協力・ホークスタウン)が行われ、前日の2倍以上の約130人のファンが詰め掛けた。
レドモンド九段と矢代五段は、形勢が見えない難解な碁を丁寧に解説。大盤を見上げて、頷きながら聞き入ったり、カメラを構えたりといった、熱心なファンの姿が目立った。
庭園から博多湾を一望 対局場は純和風の離れ
名人戦第2局が行われている福岡市の「シーホークホテル&リゾート」は、福岡ドームに隣接。94年創業、高さ地上123メートル、客室数1052のメガホテルで、年間55万人が宿泊する。レストランだけで19軒、各種ショップを含めると数十店舗を館内に抱えている。
対局場はホテル内の純和風の離れで行われており、窓からは福岡ドームの屋根が見え、庭園からは博多湾が一望できる。名人戦は2日間とも曇天と雨のあいにくの空模様だったが、沖合いには船が渡り、爽快感が味わえる。
対局場近くには南国風の木が配された巨大カフェになっており、晴れた日にはシースルーのドーム天井から陽光が降り注ぎ、まるでジャングルに迷い込んだよう。第2局の2日目はちょうど休日のため、カフェでは結婚式が行われていた。
昼食休憩、再開
午前11時47分、張本因坊が113手目を2分考えたところで「これで」と時間をいれて席を立ち、昼食休憩に入った。対局は午後1時、再開された。
指導碁「楽しかった」
福岡市のホテル「シーホークホテル&リゾート」で行われている名人戦第2局の2日目の23日午前10時半から、マイケル・レドモンド九段、矢代久美子五段、武宮陽光四段による指導碁(協力・ホークスタウン)がホテル内で開かれた。
3人の棋士がそれぞれ10人と対局した。指導碁は前日に続き2回目だったが、休日とあって、前日とは対照的に参加者のほとんどが小中学生。靴を脱いで椅子の上に正座したり、刻々と移り変わる盤面をノートに書き写したりしながら、1時間半の対局を終えた。
子どもたちは「プロ棋士は強かった」「楽しかった」と興奮気味に話した。
小中学生が対局再開見守る
名人戦第2局2日目の23日、囲碁ファンの小中学生約25人が対局場に招かれた。
子どもたちは開始時刻前の午前8時半すぎ、対局室の続き部屋に入り、並んで正座して両対局者の入室を待った。立会人の大竹名誉碁聖は、全員に厚い座布団が用意されているのを見て「みんなお座布をもらえるのはすごいね、私たちのころはこういう時はじかに正座していた」と話しかけ、子供たちの緊張を和らげた。
「先生がもうすぐ来るからね、ご挨拶しなさい」と大竹名誉碁聖が促した直後に、張本因坊が入室。子供たちは口々に「おはようございます」とあいさつし、張本因坊も静かな声で応じた。続いて姿をみせた依田紀基名人は、自身も2児の父。幼い声に厳しい表情が一瞬緩み、笑顔で「おはようございます」と応じた。定刻になり、両対局者が前日までの手を並べ直し出すと、子どもたちは伸び上がって盤面と手元に注目。封じ手が打たれるのを緊張した面持ちで見守った。
戦いが再開した後、立会人らと一緒に退室すると、対局室隣の検討室に移り、小松英樹九段とマイケル・レドモンド九段を囲んで形勢の説明を受けたり、大盤解説のテレビ生中継を見学したりした。
6歳の弟と一緒に参加した、福岡市の小学5年生藤沢銀河君(11)は、純和風の造りの対局室の様子に圧倒された様子で「座椅子に座布団があったりとか……本格的だった。ああいうところで試合したら面白いだろうと思って、自分もしたくなった」と話した。
下辺の攻防、焦点に
依田名人の封じ手白80の出は、自然であると同時に最も厳しい一手だった。
張本因坊も黒81、83から85と白の一団を包囲し、いったんは、攻め合いがからむ真っ向勝負になるかと思わせた。だが、白88に黒89とツイで変化し、白を生還させる代わりに、黒93から隅をえぐる展開になった。
白80は検討室の予想の大本命であり、黒85と封鎖する進行は、昨夜から熱心に研究されていた。白88に黒91とさえぎり、あくまでも白への攻めを続行するのは黒の負担の方が大きいという。
まだ安定していない下辺の黒に圧力をかけながら、白が中央をどれくらいまとめられるかが勝負になる。
対局再開
第29期囲碁名人戦第2局は23日午前9時、対局が再開された。依田名人の封じ手(白80)は9の十八。
2日目は立会人の大竹英雄名誉碁聖らが見守る中、午前8時54分、まず張本因坊が対局室に入り、白布で丁寧に盤面を拭き清めた後、ややうつむき加減に端座して待った。依田名人は午前9時直前に入室した。
極度に張り詰めた空気が漂う中、大竹名誉碁聖の「時間になりました」の声がかかり、両対局者が盤面を昨日の79手まで並べ直した後、封じ手が告げられ、依田名人が白9の十八に石を置き、戦いが再開された。
(04/09/23)